ターボ機械専業メーカー、ERP導入で個別受注型生産管理システムを統合:製造IT導入事例
日本オラクルは、ターボ機械専業メーカーの荏原エリオットが、オラクルのERP「Oracle E-Business Suite」を導入し、プライベートクラウド環境でグループ企業の個別受注型生産管理システムを統合したと発表した。
日本オラクルは2015年12月24日、ターボ機械専業メーカーの荏原エリオットが、オラクルのERP(統合業務パッケージ)「Oracle E-Business Suite」を導入し、プライベートクラウド環境でグループ企業の個別受注型生産管理システムを統合したと発表した。
荏原エリオットは、世界各地のエネルギー産業分野などで使用される、コンプレッサー(圧縮機)や蒸気タービン類を製造・販売している。従来は、親会社が個別に開発した生産管理・購買・販売・会計システムを利用していたが、多通貨に対応しておらず、個別受注に関する機能しかなかった。今回、全世界のエリオットグループ各社のデータを統合・管理し、戦略的に活用するITシステムを構築するため、オラクルのERPの採用を決定した。
採用にあたっては、多通貨・多言語対応で、グローバルでのサポート体制が充実していること、米エリオットで導入済みのテンプレートを展開できることなどを評価。また、ソースコードが公開され、標準化されているため、データ分析も容易だという点も考慮した。
今回の導入により、決算のIFRS(国際財務報告基準)対応が可能になるほか、単体での決算処理は30%短縮可能になるという。さらに、クラウド環境で約500社のサプライヤーを管理するiSupplierポータルにより、見積もりの依頼・回答履歴が残るため、購買業務の可視化や複数の仕入先への見積依頼・回答の一括処理など、業務が効率化したとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- モノづくりIT化の基礎情報ガイダンス
そろそろモノづくりの仕組みをIT化しないとマズイ! そんな危機感はありつつも、どこからどう手を付けたらいいのか、自社の戦略とマッチした製品は何か、などなど、謎だらけだ。セールストークにだまされた気分にならないためにも、事前にしっかり準備しておこう。 - マルチベンダRDBにつながる「DB2 Everyplace」
組み込みデータベースカタログ第5回は、IBMの組み込みデータベースDB2 Everyplaceを取り上げる。お話を伺ったのは、ソフトウェア事業の中林紀彦氏と猿山悦子氏である。 - 失敗しないERP導入プロジェクトの進め方(導入編)
中堅製造業に効果的なグローバルERPの活用方法と、失敗しない導入方法を解説する本連載。前回から3回にわたり、ERP導入を成功に導くための重要なポイントについて、プロジェクトのステップごとに解説しています。今回は、導入ベンダーを選定した後に、ERPを実際に導入する工程について説明します。 - グローバル企業に求められるKPI管理とは?
中堅製造業に効果的なグローバルERPの活用方法と、失敗しない導入方法を解説する本連載。今回は、ERPを導入した後に実際に効果を出すための運営手法として重要なKPI管理について解説します。 - 失敗しないERP導入プロジェクトの進め方(選定編)
中堅製造業に効果的なグローバルERPの活用方法と、失敗しない導入方法を解説する本連載。前回から3回にわたり、ERP導入を成功に導くための重要なポイントについて、プロジェクトのステップごとに解説しています。今回は、ERP製品と導入ベンダーの選定について説明します。