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もう当たり前の光景となりましたが、解析のジャンルでいうとやはり構造解析が多くなります。一方、樹脂の成形性を評価する樹脂流動解析については「そこは成形メーカーや金型屋さんに任せています」という声が多く、まだまだ設計者への普及は進んでいません。その理由として「成形に詳しくない」「専門家に任せた方が安心だから」といった声が多く聞かれました。
樹脂流動解析の項目準備は大変?
確かに樹脂流動解析はバーチャルに成形するため、実際と同様に成形条件を指示するための知識が必要になります。例えば、射出成形の解析で樹脂の流れを評価する場合、最低でも次のような項目の準備や指定が必要になります。
- 3DCADデータ
- 樹脂の材料物性値
- 樹脂温度
- 金型温度
- 樹脂の射出時間
- ゲート位置
3D CADデータや材料の物性値の指定は構造解析でも使用するので、あまり問題にならないかと思います。しかし、樹脂・金型温度、射出時間、ゲート位置といった項目の指示は難しく感じられるのではないでしょうか? 実はこれらの項目も使用する材料が決まってくると、指定する内容や条件もある程度決まってきます。
樹脂・金型温度
最近の解析ソフトでは数千種類の樹脂材料に関するデータベースが用意されており、成形時の樹脂・金型温度の推奨値もデータ化されています。
樹脂の射出時間
樹脂の射出時間については製品のサイズで決まります。
ゲート位置の指定
ゲートの切り取り跡をできる限り目立たない位置にしたいということを考えると、ある程度の位置は決まってくるのではないでしょうか?
樹脂流動解析を活用するメリット
メリット1:多くの項目を評価できる
樹脂流動解析では主に次のような項目を評価できます。
- ウェルドラインの位置
- ショートショットの有無
- 熱だまり部位の検出
- エアトラップ
- 必要型締め力など
メリット2:納期短縮・コスト削減
近年、成形は海外工場で行っているという企業も多いかと思います。冒頭の「成形性の評価は成形メーカーや金型屋さんにお任せ」では不具合箇所の発見があった場合、手戻りが発生し時間を取られてしまいます。もし、設計段階で解析ソフトを活用し形状要因をつぶしていれば、手戻りを削減でき納期短縮やコスト削減につながります。
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