台湾から参加の吸引式マウスが優勝、2位との差はわずか1000分の6秒:第36回全日本マイクロマウス大会2015 レポート(4/4 ページ)
2015年11月20〜22日の2日間、東京工芸大学 厚木キャンパスで「第36回全日本マイクロマウス大会2015」が開催された。今回はマイクロマウスクラシックのエキスパート、フレッシュマンともに、海外勢が優勝した。
なんといっても、ロボットに搭載する機能がシンプルだ。ハデな機構や奇抜なアイデアは不要。マイコンとモーターとセンサーがあれば、基本走行は可能だ。初心者が無理して小さく作る必要もない。クラシック競技ならば縦横250mmの枠にロボットが収まればいい(これは以前、壁の上面をセンシングする方式が主流だった名残である。今、迷路の幅より大きいロボットを製作するメリットはない)。
1区画180mmを正確に走り、壁の切れ目を見つけたら90度旋回する機体を作り、迷路を解析するソフトウェアを搭載すれば、ゴールを目指せる。優勝した「Diu-Gow」の探索走行を見てみよう。
「ロボット未経験の大学生でも、回路設計、ソフトウェア、モーター制御、センサー処理信号処理と1つずつ課題をクリアしていけば、完走できる」と、先輩マウサーが言う。完走の後は、スラローム走行、斜め走行、スラローム探索と次の課題にステップアップし記録を縮める楽しさがある。
基本ルールが変わらない競技だから、コツコツと自分のスキルを積み重ねていくことができるのだ。小さなロボットだから、部品代も開発スペースもさほどかからない点もいい。自宅でも無理なく開発を続けられる。仕事で多忙になったり、結婚したりで、数年〜10数年、中には30年間、参加を中断した後に、復活したマウサーもいる。
社会人マウサーたちは、業務で身に付けた開発姿勢やスキルを、マイクロマウス開発に生かしている。あなたもエンジニアとして技術力を磨き、楽しい仲間と出会うために、マイクロマウスを始めてみてはいかがだろうか。
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