ニュース
GaNパワー半導体を搭載したアンプ内蔵サーボモータを開発:FAニュース
安川電機は、サーボドライブシステムのサーボモータとサーボパック機能を一体化し、GaNパワー半導体搭載のアンプ内蔵サーボモータを開発した。
安川電機は2015年11月26日、GaNパワー半導体を搭載した、アンプ内蔵サーボモータを発表した。サーボモータとサーボパック機能を一体化し、サーボドライブシステムの小型化・高効率化を可能にしたという。
モータからの振動や熱が直接アンプ部に伝わるアンプ内蔵サーボモータには、振動の影響を抑え、効率良く冷却する構造が必要とされる。今回同社では、サーボモータに低損失動作や高速スイッチングを可能とするGaN(Gallium nitride:窒化ガリウム)パワー半導体を採用。その特性を生かし、冷却器や内蔵受動部品の小型・高効率化を成功させた。サーボパックのアンプ部(コンバータ部などは除く)を大幅に小型化したことで、体積比が従来のサーボパックアンプ部の1/4に低減。設備の小型化、省配線による配線費用の削減にも貢献するという。
主な仕様は、入力電圧が280Vdc、定格出力が100W、定格トルク0.318N・m、定格回転速度が3000min-1、瞬時最大トルク1.11N・m、最高回転速度が6000min-1。サイズは130×40×40mmとなる。また1回転内24bit絶対値エンコーダおよび通信機能を搭載している。
同社では、2017年までに製品化を目指すとしている。
FAメルマガ 登録募集中!
FAニュースをはじめ、産業用ロボット、インダストリー4.0、PLCや産業用ネットワーク、制御システムセキュリティなど注目の話題をまとめてお届けしています。
ぜひ、メルマガ配信のご登録をお願い致します。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 「ロボット大国だとは全く思っていない」〜産業用ロボット世界シェアNo.1の安川電機(前編)
日本は産業用ロボットの出荷台数・稼働台数で世界一を誇る。一番多く作って、一番多く使っているのだ。自動車の大量生産を追い風に、1970年代後半、国内で初めてオール電気式の産業用ロボットを発売し、今なおロボット開発に情熱を注ぎ続ける安川電機に、産業用ロボット市場の動向について伺った。 - 安川電機、“究極の性能”目指したモーションコントロール新製品
安川電機がACサーボドライブ新シリーズ「Σ-7」とマシンコントローラ「MP3300」などモーションコントロール新製品を発表。近年の外部環境の変化に適応させた装置性能と付加価値を用意、いま現在で盛り込める“究極の性能”を目指したという。 - 太陽光発電を改善する、新材料でパワコンの効率98%以上へ
安川電機が、小型かつ高効率なパワーコンディショナー(パワコン)を試作した。シリコン(Si)パワー半導体を用いた従来品に対して、体積を2分の1以下に抑え、実用域での変換効率を98.2%に高めた。このような改善が可能になったのは、窒化ガリウム(GaN)パワー半導体を採用したためだという。 - 「町工場にもロボットが普及していく」〜産業用ロボット世界シェアNo.1の安川電機(後編)
産業用ロボットの雄、安川電機は産業用ロボットを中核としつつ、単能工型から多能工型への転換を図り、サービス業にまでロボットを普及させる。 - ドイツが描く第4次産業革命「インダストリー4.0」とは?【中編】
ドイツ政府が主導するモノづくりの戦略的プロジェクト「インダストリー4.0」について解説する本連載。今回はメインテーマに「インダストリー4.0」を据え、盛り上がりを見せたドイツの産業見本市「ハノーバー・メッセ」の出展の様子について、現地を訪問した筆者が紹介する。