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製造業のIoT活用、他社に“差”をつける考え方もうけを生む製造業IoTの活用手順(1)(3/4 ページ)

製造業で活用への注目が集まるIoT。しかし、具体的にどういう取り組みを計画すべきなのか戸惑う企業が多いのではないだろうか。また、IoT活用を企業としての利益に結び付けるにはどうしたらよいかという点も悩ましい。本連載「もうけを生む製造業IoTの活用手順」ではこうした製造業のIoT活用のポイントを解説していく。

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IoT活用で革新する4つの領域

 IoTの活用に向けた中長期活動プランを検討する際には、まずIoTでどのようなビジネスモデル革新を想定し、そこからどういった期待効果を得たいのかといった目標を設定する必要があるだろう。

 しかし、ビジネスモデル革新といってもどのような種類があるのか。IoT活用によって期待するビジネスモデル革新とその効果について企業にヒアリングすると、図2に示すように大きく4つの革新領域が挙げられる。


図2 IoT活用領域と期待効果(クリックで拡大)出典:日立コンサルティング

生産革新領域(黄色)

顧客や調達先とつながるサプライチェーン全体で、部材・製品、設備、工程、品質などの情報を可視化し共有することで、生産能力の最大活用、設備効率向上、品質のトレーサビリティ確保を目指す。

サービス革新領域(青色)

製造、販売、利用、廃棄までの製品ライフサイクル情報を取得し一元管理することで、顧客や販売代理店と連携して製品の稼働率向上と効果的な利用をサポートし、製品の利用価値を最大化する。

設計・マーケティング革新領域(緑色)

上記の2つの領域での成果を生かし、品質情報やニーズを素早く設計に取り込んで商品力を向上させる。また、設計情報を迅速に生産に反映させることで、製品の市場展開をスピードアップする。

経営革新領域(赤色)

現場の情報をタイムリーに経営層に提供することで、経営判断を支援する。

 各企業は自社の目指す革新の期待効果を絞り込み、KPIを定めて経営貢献の大きさを評価し、定めた優先順位を共通認識とすることが重要となる。

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