IoTによる“新たな現実”は、設計開発をどう変えるか:製造ITニュース(1/2 ページ)
IoTによる産業変革が進む中、設計環境にはどのような変化が生まれるのだろうか。PTCは、都内でユーザーイベント「PTC LiveWorx Japan 2015」を開催し、デジタルの世界と現実の世界を融合した「New Reality(新たな現実)」の世界が訪れると強調する。
PTCは2015年10月27日、都内でユーザーイベント「PTC LiveWorx Japan 2015」を開催。IoTにより、デジタルの世界と現実の世界を融合した「New Reality(新たな現実)」の世界が訪れると訴え、新たな設計開発環境の価値について示した。
同社は従来、CADやPLMなど設計開発環境におけるITツールを中心とした製品展開を進めてきたが、2013年12月にIoT(Internet of Things、モノのインターネット)開発プラットフォームを展開するThingWorxを買収。さらに2014年7月にはM2MベンダーAxedaを買収し、2015年5月には機械学習と予測分析技術のColdLightを買収するなど、IoTを基軸とした事業ポートフォリオの拡張を進めてきた。
重要なのは“Things”
「PTC LiveWorx Japan 2015」では、IoTが製品開発にどのような変化をもたらすかという点について、同社のポートフォリオの拡大と合わせて紹介。米国PTC テクノロジープラットフォームグループ グループプレジデント ロブ・グレムリー(Rob Gremley)氏は「モノのインターネットの世界が広がりを見せている。インターネットの技術の発展が目覚ましいのは当然だが、われわれが着目すべきなのは“Things”の部分にある」と述べる。
「われわれはデジタルの世界において、さまざまな設計開発の現場を支援してきたが、従来はデジタルの世界とフィジカル(現実)の世界は分断されていた。われわれのツールを使って開発された製品データは工場に手渡され、そこまでで終わりだった。その後は、工場で製品が生産され顧客の手に届くことになるが、その先の情報のフィードバックはオーナーが声を上げない限りは得られなかった」(グレムリー氏)。
しかし、これらの状況がIoTにより変わりつつある。「IoTにより、製品が常に接続をし続ける“スマートコネクテッドプロダクト”となれば、デジタルの世界と、フィジカルの世界は融合させることができるようになる。これこそが“New Reality(新たな現実)”だ」のグレムリー氏は強調する。
製品がスマートコネクテッドプロダクトへ
製品が常にインターネットへ接続を続けるスマートコネクテッドプロダクトへと変われば、製品の開発の方法は大きく変化することになる。製品が単体として成立するわけではなく、ICT基盤を通じて、周辺の製品を組み合わせたシステムとしての機能を果たせるようになるからだ。グレムリー氏は「新しいテクノロジープラットフォームが必要になる」と語る。
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