センサーモジュールとクラウドの連携でIoT新規事業短期参入を支援:製造マネジメントニュース
日本IBMは、同社のPaaS「IBM Bluemix」をアルプス電気が採用したと発表した。アルプス電気の「IoT Smart Module」とIBM Bluemixが連携し、新しいIoTシステムを提供する。
日本IBMは2015年10月6日、同社のPaaS「IBM Bluemix(ブルーミックス)」をアルプス電気が採用したと発表した。アルプス電気は、IBM Bluemixの導入により、企業がIoT(モノのインターネット)技術を使用して新規事業へ短期間で参入したり、データを活用した新サービスを開始するのを支援する。また、複数センサーと通信モジュールを1パッケージにした「IoT Smart Module(アイオーティー・スマート・モジュール)」と、クラウドのスムーズな連携による新しいIoTシステムの提供を開始する。
アルプス電気のIoT Smart ModuleとIBM Bluemixが連携することで、センサーデバイスの接続、制御、センサーから出力されるデータの収集、管理、IoTイベントの処理フローの作成など、IoTアプリケーションに必要なソリューションを包括的に提供できる。データのセンシングからクラウドでの展開までがスムーズになり、顧客は収集したデータを活用した新規事業を容易に展開できるという。
IoT Smart Moduleは、気圧、温湿度、照度などの環境情報を検知できる複数センサーと、無線通信機能をコンパクトな筐体内に搭載したモジュールで「センサーネットワークモジュール」と「環境センサーモジュール」の2シリーズを提供している。世界最小クラスで6軸(地磁気+加速度)検知もできるセンサーネットワークモジュールはBluetooth Smartに対応、防水防塵設計で屋外に設置できる環境センサーモジュールは920MHz帯の通信に対応している。開発キットとして、IBM Bluemixと連携するゲートウェイも提供できる。
IBM Bluemixは、視覚的に論理フローを組み立てて、アプリケーションの処理ロジックを作成し、誰でも簡単にIoTデータを活用できるNode-REDとMQT(Message Queue Telemetry Transport)というオープンな技術を採用している。IBM Bluemixにより、IoT Smart Moduleが簡単かつ迅速に活用できるプラットフォームとして展開することが期待できるという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 規格準拠は“入場券”にすぎない、ISO26262をきっかけに製品開発力の強化を
日本IBMは、自動車向け機能安全規格であるISO 26262に対応する開発ツールとして、トレーサビリティ確保の観点に立って、要求管理ツール「DOORS」や構成・変更管理ツール「Rational Team Concert」を展開している。同社の根城寿氏に、国内自動車業界のISO 26262への対応状況などについて聞いた。 - グローバル化を「当たり前」にするためのリコーの実践
グローバル化を支援する「7つのプラットフォーム」と、リコーが取り組んできたグローバル化の方策とその実践事例を紹介する - 恐るべきIBMの知財戦略、なぜ太陽電池に賭けるのか?
米IBMは太陽電池の開発に熱心に取り組んでいる。IBMはICT企業であり、エネルギー関連のハードウェアは守備範囲外のはずだ。なぜ太陽電池に取り組んでいるのか。さらに太陽電池の開発・量産では先行する企業が多く、今からIBMが開発を進める理由が分かりにくい。今回の「知財で学ぶエレクトロニクス」では、IBMの知的財産(知財)戦略において、太陽電池がどのような位置を占めるのかを、特許出願状況の調査と併せて解説する。 - 「新製品何作る?」をコンピュータに聞く時代――IBM事業戦略説明会
日本IBMは事業説明会を開催し、世界のCクラス役員がより「テクノロジー」を重視する時代であることを強調。同社の事業方針を説明した他、最新技術の事例を紹介した。 - CAEにクラウド時代がやって来る! ――IBMがセミナー開催
日本IBMは、クラウド環境でのCAE活用をアピールする「エンジニアリング・ウィズ・クラウド」セミナーを開催。クラウド環境における解析作業が、実際に業務レベルで利用できるパフォーマンスを持つことを訴えた。