新型「プリウス」は目標燃費40km/lをどうやって達成するのか:エコカー技術(2/6 ページ)
2015年12月に発売予定の新型「プリウス」に搭載される新技術が発表された。JC08モード燃費40km/l(リットル)を目標に開発されている新型プリウスだが、エンジンやモーターの改良の他にもさまざまな技術を積み重ねることでその目標を実現しようとしている。
荷室の容積はゴルフバッグ3個から4個に
外形寸法は全長4540×全幅1760×全高1470(四輪駆動モデルは1475)mmで、ホイールベースは2700mm。3代目プリウスと比べて、全長が60mm、全幅が15mm増えたのに対して、全高は20mm低くなった。ホイールベースは同じである。
室内寸法は、室内長2110×室内幅1490×室内高さ1195mmとなった。3代目プリウスと比べると、室内長が205mmと大幅に伸び、室内幅も全幅の拡大に合わせて20mm広くなった。ただし室内高さは30mm低くなっており、これは全高の20mmの低減以上に大きい。ただし、乗員にとっての頭上広さとなるヘッドルームは、前部座席の上方で21mmの増加、後部座席は上方で同じ、後方で6mmの増加なので、室内高さ方向についても狭くなったと感じないような設計になっている。
最小回転半径は5.1m。これは3代目プリウスよりも0.1m小さく、2代目プリウスと同じである。
荷室容積は502lで、3代目プリウスの446lよりも約12%増えた。これは、荷室下部に配置していたハイブリッドシステムの二次電池パックを後部座席下部に移動するとともに、補機用の鉛バッテリーも荷室下部からエンジンルーム内に収めたことによるものだ。9.5インチ×46インチサイズのゴルフバッグの積載個数であれば、3代目プリウスでは3個だったが、新型プリウスでは4個になる計算だ。
車両重量は3代目プリウスより10kg重い1360kgである。次ページから詳しく説明する新開発のハイブリッドシステムは、3代目プリウスのものよりも小型・軽量化を果たしている。このため3代目プリウスより軽くなるという見方もあるかもしれない。その一方で「走って楽しい」や「装備がいい」を実現するため、3代目プリウスにはない装備やシステムを搭載している。例えば、後輪側サスペンションは、トーションバー方式に替えてダブルウィッシュボーン方式を採用した。
またTNGAに基づく環状構造の骨格とともに、980MPaの高張力鋼や1500MPaのホットスタンプ材、レーザースクリューウェルディングによるボディ接合の拡大は、安定した走行性能や静粛性に寄与する高剛性ボディの実現に利用されている。ボディねじり剛性が3代目プリウスよりも約60%向上する一方で、ボディ重量はほぼ同等レベルに抑えたとしている。
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