人体の深部温度を24時間モニタリングできる超小型センサー、見守りに最適:CEATEC 2015
オムロン ヘルスケアは、「CEATEC JAPAN 2015」において、体表に貼り付けることで人体の深部温度(体温)を24時間モニタリングできる超小型センサーを展示した。2017年度の商品化を目指して開発を進めている。
オムロン ヘルスケアは、「CEATEC JAPAN 2015」(2015年10月7〜10日、幕張メッセ)において、体表に貼り付けることで人体の深部温度(体温)を24時間モニタリングできる超小型センサーを展示した。2017年度の商品化を目指して開発を進めている。
体表の温度は、人体の深部温度である体温と比べて、脂肪や血液などの体組織を介しているため低くなるのが一般的だ。つまり、体表の温度を計測しても、体温を計測したことにはならない。しかし、体表に伝わる熱流と体組織の特性が分かれば、体表の温度から体温を推定することが可能になる。
オムロン ヘルスケアが展示した超小型センサーは、パッケージ内部に、体表の異なる2カ所について温度を計測する2つの温度センサーと、それらの温度センサー上に設置されている大小2つの熱流センサーがMEMS技術で作り込まれている。
この超小型センサーを体に貼り付ければ、温度センサーで計測した異なる2カ所の体表の温度と、温度センサー上にある大きさの異なる熱流センサーで計測した熱抵抗の異なる熱流、そして同社が開発した独自のアルゴリズムを使って体温を導出することができるという。
超小型センサーのサイズは8.1×7.7mmで厚さは約2mm。展示ブースでは、超小型センサーによって計測した体温を無線通信機能で外部に発信できる貼り付け型体温計を使ってデモンストレーションを行っていた。
超小型の貼り付け型体温計を商品化できれば、乳幼児や高齢者の体温変化管理や、屋外作業者の体調管理といった“見守り”の用途に利用できる。また従来の体温測定は、わきや口中に体温計を挟んで行っていたが、超小型の貼り付け型体温計を使えば、人体のさまざまな箇所の体温をモニタリングすることも可能だ。
関連記事
- ≫「CEATEC JAPAN 2015」特集サイト
- 身に着けるエアコン「ウェアコン」は実用化直前、ペルチェ素子で頸部を冷暖房
ウェアラブル環境情報ネット推進機構は、「イノベーション・ジャパン2015」において、身に着ける冷暖房装置「ウェアコン」を展示した。2016年3月をめどに製品化を検討しているという。 - 「先制医療」実現目指し、JINSとオムロンヘルスケアが共同プロジェクト
JINSブランドを展開するジェイアイエヌと、体組織計などを製造するオムロンヘルスケアがジェイアイエヌのウェアラブルデバイス「JINS MEME」をベースにした、「先制医療」実現を目指した取り組みを開始する。 - 「かき氷で頭キーン」から着想――心肺停止患者の生存率向上、体温調節装置システム
心肺停止患者の生存率向上に効果がある「脳の低温保持」。大研医器と岡山大学が共同で、心拍再開前に脳を冷却できる体温調節装置システム「クーデックアイクール」を開発した。「世界初」(同社)というこの装置の開発のヒントは「かき氷を食べた時に頭がキーンとすること」だった。 - ベッドに寝たまま生体情報を24時間リアルタイムで測定、“スマートベッドシステム”
パラマウントベッドは、入院患者が寝ている寝ている状態のままで脈拍数などを測定できる「スマートベッドシステム(仮称)」を開発した。電子カルテや遠隔の医療機関などと、測定したデータを共有することも可能になる。介護/看護人員の不足の解消を目指す。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.