介護予防向け、運動機能の状態を簡単に確認できる計測機器の試作モデル:医療機器ニュース
タニタは、脚の筋力やバランス能力といった運動機能の状態を誰でも簡単に確認できる計測機器「BM-220」の試作モデルを発表した。骨折・転倒や関節疾患の兆候を早期に確認し、介護予防に役立てる。商品化に向けてモニター募集も実施している。
タニタは2015年9月15日、脚の筋力やバランス能力といった運動機能の状態を、誰でも簡単に確認できる計測機器「BM-220」の試作モデルを発表した。科学技術振興機構の「センター・オブ・イノベーション(COI)プログラム」を活用し、それをベースに筑波大学体育系と共同研究をして開発した。
一般に、加齢に伴って全身の筋肉量が減少し、身体の運動機能も低下する。特に脚の筋力やバランス能力の低下は骨折・転倒や関節疾患を引き起こし、それが要介護となる原因の2割以上を占めることが厚生労働省の調査で明らかになっている。これを予防するには、自身の筋肉量や運動機能の状態を正しく把握し、必要に応じて食事や運動、リハビリなどによって改善を図ることが重要となる。
BM-220は、イスから立ち上がる時の「パワー」「スピード」「バランス」の3項目を高精度に計測、評価することで、骨折・転倒や関節疾患発症の兆候を早期に確認できる。
操作は簡単で、イスに座った状態で本体に足を乗せ、踏ん張って立ち上がるだけで計測が完了する。計測台に搭載した荷重センサーが、立ち上がり時のスピードやパワー、立ち上がってからの重心移動の速さや、重心が安定するまでの時間を計る。計測データはPCやタブレット端末に付属のUSBケーブルをつないで転送し、専用のアプリケーションで解析。立ち上がり時のパワー、スピードは5段階、バランスは3段階で判定する。
専用アプリケーションは、市販されているタニタのプロフェッショナル仕様の体組成計「MC-780A」「MC-980A」にも対応。BM-220と組み合わせることで、全身の体組成データや右腕、左腕、体幹部、右脚、左脚といった5つの部位の筋肉量のデータを加味して解析し、全身の筋肉量や部位ごとのバランス、脚の運動機能の状態を総合的に評価し、新指標「総合得点」として100点満点で全身の運動機能の状態を表示する。
タニタは、BM-220の早期商品化に向けて、医療機関や高齢者施設、介護予防教室などでのニーズを収集するため、2015年9月15日より無料モニターを募集。貸し出し期間は3カ月間で、タニタのWebサイトで受け付ける。
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