タニタの「質」を測れる体組成計、5000円割引でも売れるのか
タニタが新開発の家庭用体組成計「デュアルタイプ体組成計」を発表しました。高精度のデュアル式計測技術と、筋肉組織の状態を評価する新たな指標「筋質点数」を導入した製品で、「インナースキャンデュアルシリーズ」の「RD-501」、「RD-902」、「RD-903」です(関連記事:「健康指標は量から質へ」、筋質点数を測れる体組成計はデュアル式計測を採用)。
一般的な家庭用体組成計は、「生体インピーダンス法」に基づいて、周波数50kHzの微弱な電流を流して電気抵抗値を求めて体組成を推定します。これに対して、デュアル式計測技術は、周波数6.25kHzの電流も流して電気抵抗値を計測します。2種類の周波数から計測された電気抵抗値を使うので、より高い精度で体組成を推定できるというわけです。
このデュアル式計測技術、従来は数十万円以上する業務用の体組成計に用いられていました。2種類の周波数の電流を使って計測する以上、電流を流すユニットの数が倍になり、それらの情報を処理するプロセッサやアルゴリズムもより高度になります。その分高価になるため、家庭用体組成計には採用されていなかったわけですが、「構成部品のコストダウンをはじめ製品化のメドがついた」(タニタ)ことから家庭用への採用に踏み切ったというわけです。
体組成の計測精度の向上だけでなく、新しく筋質点数という指標を導入することで商品力も高めました。タニタ社長の谷田千里氏は、「筋肉の『質』を測るという習慣を作り出すことで、日本をより健康にしていきたい」と語っています。
さてこのデュアルタイプ体組成計の市場想定価格は、RD-501が1万5000円、スマートフォンとの連携機能を持つRD-902が2万円、RD-903が2万5000円です。
この価格は、初年度販売分目標台数の6万台限定で、販売価格から5000円割り引く販促キャンペーンを含めたものとなっています。つまり、元来の市場想定価格は、2万〜3万円だったわけです。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- ≫モノづくり編集のこぼれ話
- 「健康指標は量から質へ」、筋質点数を測れる体組成計はデュアル式計測を採用
タニタが新たに開発した「デュアルタイプ体組成計」は、医療分野などで用いられている体組成計で培ってきた、2種類の周波数を用いるデュアル式計測技術を取り入れ、従来品よりも高精度の計測を実現した家庭用体組成計である。さらに、筋肉組織の状態を評価する新たな指標「筋質点数」も導入している。 - タニタが家庭用体組成計で新ブランドを立ち上げ、2種類の周波数で高精度に測定
タニタが家庭用体組成計の新ブランド「インナースキャンデュアル」の立ち上げを発表した。2014年5月30日に発売される2機種は、2種類の周波数を用いて高精度に体組成を測定する。Bluetooth Low Energyを搭載していて、「iPhone」にデータを送信し、専用アプリでデータ管理が行える。 - 高精度アルコールセンサーは燃料電池を使う、タニタが従来比6割減の価格で発売
タニタは、バスやタクシー、トラックのドライバーが業務開始時にアルコールの影響下にないことを確認するのに用いるアルコールセンサー「アルブロ(FC-1000)」を開発した。高精度の燃料電池計測方式を採用しているにもかかわらず、従来品と比べて60%以上安価な3万9900円という本体価格を実現している。