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切削加工に必要な9つのモノと完成の喜びと、気まぐれでそっけないアイツママさん設計者がやさしく教える「CNCフライス超入門」(6)(1/6 ページ)

ファブレスメーカーのママさん設計者がCNCフライスの特長や魅力、使い方を分かりやすく解説する連載。第6回はいよいよ最終回! 必要な物をそろえて、いよいよ切削加工の本番へ。完成品はもちろんネコさまにチェックしていただく。

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 モノヅクリストの皆さん、こんにちは! 前回はCNCソフト「USBCNC」にGコードを読み込ませ、“リハーサル”と称してプログラムを最後まで実行してみました。そして今回は、ついに切削の本番です。それでは早速、今回の本番に必要な物を挙げていきますね。

切削加工に必要な物 9!

1.材料

 材料はワークサイズに仕上がったもの(加工するために適当な大きさのもの)を用意してください(図1)。


図1:材料

2.エンドミル

 エンドミルはG-Simpleでツール設定した物を用意します(図2)。


図2:エンドミル

3.両面テープ

 両面テープは、捨て板や材料をワークテーブルに固定するために使います。いわば治具代わりなので、粘着力が強いものを用意します。ホームセンターなどで購入する場合は、よく見かける“不織布にのりを塗ったタイプ”ではなく、“のりの部分がシート状になっているタイプ”を選ぶと、剥がしやすくてのりも残らないのでよいです。

4.スクレーパ

 スクレーパは、両面テープで固定された加工品をワークテーブルから取り外す時に使います。また、ワークが柔らかい材料であれば、サポートを切り離す際にノミのように使うことも出来ます。

5.竹ヨージまたは古びた歯ブラシ

 竹ヨージや歯ブラシは、切削中や切削後のワークにたまった削りクズのお掃除などに使います(図3)。なくても大して困りませんが、あれば何かと便利です。


図3:両面テープとスクレーパと歯ブラシ

6.捨て板

 「捨て板」とは、その名の通り「捨てられる板」。言い換えると「何かをかばって犠牲になる斬られ役」です(図4)。


図4:拙者、斬られ役でござる

 今回の「ペットのネームプレート」では、外形の周囲をワークの厚みである5mmより0.5mm多い、「深さ5.5mmのポケット加工」をして製品を取り出すんでしたね。これは0.5mmオーバーさせることでポケット加工の残厚をなくし、ワークから確実に製品を離脱させる計算なのですが、なにも対策しないでそのまま切削してしまうと、ワークを突き抜けたエンドミルはワークテーブルを直撃してしまいます。そこで、ワークテーブルとワークの間に捨て板を挟むことで0.5mmのオーバー分を捨て板に被ってもらい、ワークテーブルを守るのです。

 その他、ドリルでの穴加工の場合でも、ワークの下に捨て板があるおかげでワークの裏面にバリを残すことなく、きれいに穴を貫通させることができます。このように、捨て板は気の毒な役回りながら、加工内容によっては欠かす事の出来ない貴重な存在なのです。捨て板としてよく使われるのは安価なベークライトの板ですが、手元にちょうどいいサイズの不要な生基板があったので、今回これを捨て板として使います。この生基板だって、「おまえは不良だ」などと一方的にレッテルを貼られてただ捨てられるよりは、少しでも役に立つことができて本望でしょう。

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