パイオニアが車載エンタメサービス拡充、同期歌詞データのベンチャーに出資:車載情報機器
パイオニアは、アーティストの公式音源に合わせた同期歌詞データを国内最大規模で有するシンクパワーと、資本出資と業務提携に関する契約を締結した。2015年5月に発表した「ミュージッククルーズチャンネル」のような車載エンタテインメントサービスを拡充させたい考え。
パイオニアは2015年9月14日、アーティストの公式音源に合わせた同期歌詞データを国内最大規模で有するシンクパワーと、同年9月11日付で資本出資と業務提携に関する契約を締結したと発表した。
パイオニアは、国内、海外市場において、定額音楽配信サービスをはじめとする新しい形の音楽サービスが広がる中で、シンクパワーへの出資を通じて、パイオニアならではの車載向けに最適化された新しいエンタテインメントサービスの開発とそのグローバル展開を目指す。
具体的には、シンクパワーが有する歌詞データとその活用技術を基に、これまでパイオニアが培ってきた車載器に関するノウハウや、楽曲解析・メタデータ活用技術を連携させることで、これまでにない“車の中での新しい音楽体験”を提供し、より快適で楽しい車室内空間を実現していくとしている。
パイオニアは2015年5月、レコチョクと共同開発した車載情報機器向けの音楽ストリーミング機能「ミュージッククルーズチャンネル」を発表している(関連記事:「サイバーナビ」の車載音楽ストリーミング機能、「MIXTRAX」で差異化)。シンクパワーへの出資により、ミュージッククルーズチャンネルを基点とした車載エンタテインメントサービスの拡充を目指すことになる。
なお、資本出資完了後のシンクパワーの資本金は3億5900万円。パイオニアは出資額を明らかにしていない。「出資後にシンクパワーが子会社になるわけではないが、当社は筆頭株主になる」(同社)とコメントしている。
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