立体のデザインパターンを布に直接3Dプリントする技術:3Dプリンタニュース
米3D Systemsは、3Dモデリングされた形状およびデザインパターンを布の上に直接印刷する服飾デザイン向けの新たな3Dプリンタの活用を提案する「Fabricate」を発表した。
米3D Systemsは2015年9月8日(米国時間)、3Dモデリングされた形状およびデザインパターンを布の上に直接印刷する服飾デザイン向けの新たな3Dプリンタの活用を提案する「Fabricate」について発表した。
Fabricateは、ファッションデザイナーをはじめとする服飾デザインの専門家と家庭ユーザー向けに提供され、さまざまな3D形状やパターンから任意のデザインを選択し、同社主力のパーソナル3Dプリンタ「Cube」で造形。出力されたデザインパターンを衣類などに縫い付けることで、3Dプリンティングとファッションが融合した「3D Tech-Style」を実現できる。
デザインパターンをCubeで出力する際は、まず造形テーブルにのりを付け、下地となる層を造形する。次に、造形された層の周辺に再度のりを付けてその上に専用の布を敷きプリントを再開する。こうすることで3Dプリントされた造形物と布が一体化される。後は布の部分を任意にカットして、シャツやズボンなどに縫い付ける。
今後、同社は新しいデザインパターンや形状をリリースしていくだけでなく、ファッションデザイナーとのコラボレーションなども発表する計画だという。
なお、同社はFabricateの展開に併せて、CubeとFabricate用のフィラメント、布、のりなどがセットになったスターターパック「Fabricate Cube Starter Pack」(1199米ドル)と、Cubeが付属しないデザインパック「Fabricate Designs Pack」(149米ドル)の2種類を用意する。
関連記事
- 「3Dプリンタは流行ではなく革命」――米教授が示す10の原則と3つの未来
ストラタシス・ジャパン主催の「未来型デジタルファクトリー DDMフォーラム 2015」の基調講演に3Dプリンタ研究の第一人者として知られる米コロンビア大学 機械工学教授 ホッド・リプソン氏が登壇。3Dプリンタのこれからについて説明した。 - 「単なる試作機器や製造設備で終わらせないためには?」――今、求められる3Dプリンタの真価と進化
作られるモノ(対象)のイメージを変えないまま、従来通り、試作機器や製造設備として使っているだけでは、3Dプリンタの可能性はこれ以上広がらない。特に“カタチ”のプリントだけでなく、ITとも連動する“機能”のプリントへ歩みを進めなければ先はない。3Dプリンタブームが落ち着きを見せ、一般消費者も過度な期待から冷静な目で今後の動向を見守っている。こうした現状の中、慶應義塾大学 環境情報学部 准教授の田中浩也氏は、3Dプリンタ/3Dデータの新たな利活用に向けた、次なる取り組みを着々と始めている。 - ショコラティエのためのチョコレート3Dプリンタ「CocoJet」
米3D Systemsは「2015 International CES」において、米チョコレート大手のHershey(ハーシー)と共同開発したチョコレート3Dプリンタ「CocoJet」の参考展示を行った。 - デスクトップ型のフルカラー3Dプリンタ「CubePro C」発表
米3D Systemsは、英botObjectsの買収を発表すると同時に、botObjectsが保有する熱溶解積層法によるフルカラープリント技術を用いたデスクトップ型の3Dプリンタの新製品「CubePro C」を発表した。 - パーソナル3Dプリンタ「Cube 3」と「CubePro」シリーズの先行予約開始
イグアスは、米3D Systems社製パーソナル3Dプリンタ「Cube」「CubeX」の後継機種である「Cube 3rd generation」と「CubePro」シリーズの先行予約を2014年8月1日より開始した。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.