新規就農者育成を支援する、農業ICTソリューションを提供:製造マネジメントニュース
NECソリューションイノベータは、新規就農者育成を支援し、地方創生に貢献する農業ICTソリューションの提供を発表した。新規就農者の学習・自立を支援し、営農指導者による技術指導の効率化を盛り込んだシステムになっている。
NECソリューションイノベータは2015年7月27日、地域農業における雇用創出によって農業の成長産業化を支援し、「まち・ひと・しごと創生」に貢献する農業ICTソリューションを8月1日より順次販売開始すると発表した。
農業を主産業とする地域では、就農者の高齢化と後継者不足が課題とされている。多くの自治体では、新規就農者への支援が進められているが、新規就農者が自営農家として安定して事業を継続するためには、熟練生産者の勘と経験をマニュアル化し、それを受け継ぐ必要がある。また経営者として、事業運営のノウハウ習得も不可欠だ。同社では、農業経営や栽培についてのノウハウを新規就農者に伝えるため、新たな農業ICTソリューションを提供する。
製品の特長は3つ。第1は「農業技術学習支援システム」で、営農指導者などによる新規就農者への栽培技術の教育を効率化するとともに、マニュアル化が困難とされてきた熟練生産者の経験や勘に基づいた栽培技術の継承を支援する。
第2の「営農指導支援システム」では、田畑のデータや生育状況、生産者の作業記録など営農指導に必要なデータを一元管理することで、営農指導者の業務を省力化。営農指導員による、データに基づいた栽培技術指導を可能にする。
第3は「生産原価管理サービス」で、栽培計画の立案から作業実績、資材などのコストや収穫出荷量のデータを一元的に管理する。原価分析が可能になり、農業経営の経験がない新規就農者の経営管理を容易にし、自営農家としての自立を支援する。
同ソリューションは、全てクラウドサービスで提供。今後3年間で、50団体への導入を目指しているという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- CEATEC JAPANに見る農業の未来、「モノづくり」としての農業にご注目!
最先端IT・エレクトロニクスの展示会である「CEATEC JAPAN」だが、自動車や新エネルギー関連の出展の陰でひそかに増えているのが農業関連ソリューションだ。TPPなどで農業強化に注目が集まる中、IT・エレクトロニクスは農業を救えるのか。CEATEC JAPANでの農業関連の出展を紹介する。 - CEATEC JAPANに見る農業の未来、「モノづくり」としての農業にご注目!
最先端IT・エレクトロニクスの展示会である「CEATEC JAPAN」だが、自動車や新エネルギー関連の出展の陰でひそかに増えているのが農業関連ソリューションだ。TPPなどで農業強化に注目が集まる中、IT・エレクトロニクスは農業を救えるのか。CEATEC JAPANでの農業関連の出展を紹介する。 - 本当にITで農業を救えるのか!? コストイノベーションと地域視点で新たな営農スタイルを目指す「T-SAL」
現役就農者の高齢化や後継者不足に伴う農家人口の減少、耕作放棄地の増加など、日本の農業が抱える課題に対し、IT/ICTで持続可能な農業を実現しようとする取り組みが各所で進みつつある。その1つが、東北のIT企業/農業法人や教育機関などが中心となり活動している「東北スマートアグリカルチャー研究会(T-SAL)」だ。大企業では実現できない地域連合ならではの取り組みとは? - 農業のオープンソース化を考える
モノづくり特化型クラウドファンディングサイト「zenmono」から、モノづくりのヒントが満載のトピックスを紹介する「zenmono通信」。今回は、禅問答にインスピレーションを受けた対談の場「禅カフェ」から、町工場が農業の生産性向上に貢献する“マイクロ農商工連携”を紹介。 - 電気自動車と農業の接近、スマートアグリ始まる
電気自動車(EV)のユーザーと言えば、都市部における環境意識の高い人々というイメージが強い。しかし今後は、「スマートアグリ」と呼ばれる新しい農業が新たなEVの用途として浮上してくるかもしれない。宮城県岩沼市で開催された「農業用充電ステーション」の開所式を取材し、スマートアグリと呼ばれる新しい農業像を探った。