Googleが街を再構築する〜街のIoT化がもたらすもの〜:Sidewalk(5/5 ページ)
「都市生活の改善」を掲げるGoogleが立ち上げた「Sidewalk Labs」だが、詳細は明かされていない。しかし、「LinkNYC」などさまざまな取り組みを重ね合わせるとその狙いが透けて見える。
拡大するGoogleのIoT戦略
Goldman SachsはIoTの重要構成要素として「Connected Wearable Device(ウェアラブル)」「Connected Car」「Connected Home(スマートホーム)」「Connected Cities(スマートシティ)」「Industrial Internet」の5つを挙げている。
GoogleはAndroid Wearでウェアラブルに、Android AutoでConnected Carに、NestやThreadでスマートホームに参入した。またIndustrial Internet関連ではまだ具体的な動きはないものの、7社のロボット関連企業を買収している。そのような中でSidewalkの設立により、スマートシティへの取組みを具現化させたといえる。Googleの全方位にわたるIoT戦略は急速に本格化し始めている。
このようなことから、街の中にLinkを設置することによりGoogleは、ユーザの個人情報や人的つながり等「個」の情報に加え、新たにこれまで把握しきれていなかった街の中の動きやつながりといった「群(集合体)」の情報を収集できるようになる可能性を秘めている。これは言い換えれば、ユーザのインターネット上の行動だけでなく、現実世界における行動も把握しようとしているともいえる。
このように、Sidewalk /Intersectionの設立の背景には、Googleの広告戦略の拡大を超え、Googleがこれまで蓄積してきた様々な技術を活用して、インターネットの世界からリアルな世界へその手を伸ばしてきていることを意味しているのではないかと考えられる。
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