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ヤマハ発動機の“乗る楽器”とヤマハの“愛着の乗り物”、息づくYAMAHAのDNAクルマから見るデザインの真価(6)(4/4 ページ)

楽器のヤマハが乗り物、乗り物のヤマハ発動機が楽器という形で、それぞれのデザイン部門がアイテムを交換してデザインする「project AH A MAY(プロジェクト アーメイ)」。4つのデザインコンセプトモデルには、図らずも同じトーンが漂っており、両社にYAMAHAのDNAが息づいていることを感じさせた。

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全体に漂う共通した空気感

 2つのヤマハによる合同プロジェクト「project AH A MAY」の活動内容も興味を引かれるものだった。しかし、プロジェクトから生まれた4つのデザインコンセプトモデルが一同に並べられた様子に、全体を通して同じようなトーンが漂っているということについても印象が強かった。

 「最初にアイテムを交換したら完成までお互い見せ合わない」という結果がこうなのだから、同じYAMAHAのブランドを持つ両社には、日頃の業務上での交流はなくとも共有された価値観がDNAのようにあるのだろう。互いに見せ合ったときに、全体を通して同じトーンが流れており、しかしそれでいて似ているところ違うところがちゃんとある、という結果は、川田、長屋の両氏も想定していなかったようで、新鮮な驚きだったそうだ。

「project AH A MAY」の続きは2015年内に見せる

 「Two Yamahas, One Passion〜デザイン展2015〜」というイベントタイトルの由来は、この結果によるものなのか聞き損ねてしまったが、そのタイトルの通り「Two Yamahas, One Passion」を感じたイベントであった。「project AH A MAY」は単発な試みではなく、まだ続きがある。長屋氏からは「2015年内にはその正体を見せる」とご案内いただいたので、次はどのようなものが出てくるのか楽しみにしておこう。

ヤマハの川田氏(左)とヤマハ発動機の長屋氏(右)
ヤマハの川田氏(左)とヤマハ発動機の長屋氏(右)。両デザイントップによれば、「project AH A MAY」は「To be continued」だという

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Profile

林田浩一(はやしだ こういち)

デザインディレクター/プロダクトデザイナー。自動車メーカーでのデザイナー、コンサルティング会社でのマーケティングコンサルタントなどを経て、2005年よりデザイナーとしてのモノづくり、企業がデザインを使いこなす視点からの商品開発、事業戦略支援、新規事業開発支援などの領域で活動中。ときにはデザイナーだったり、ときはコンサルタントだったり……基本的に黒子。2010年には異能のコンサルティング集団アンサー・コンサルティングLLPの設立とともに参画。最近は中小企業が受託開発から自社オリジナル商品を自主開発していく、新規事業立上げ支援の業務なども増えている。ウェブサイト/ブログなどでも情報を発信中。



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