自動制御式LED植物工場のITインフラにクラウド・サービスを採用:製造マネジメントニュース
日本IBMは、IBMのクラウド・サービス「SoftLayer」が、スタンシステムの自動制御式LED植物工場のITインフラに採用されたと発表した。画像処理システムなどのITシステムに、SoftLayerを活用している。
日本IBMは2015年7月16日、IBMのクラウド「SoftLayer」が、スタンシステムの自動制御式LED植物工場のITインフラに採用され、3月31日に稼働を開始したと発表した。併せて、メッセージング通信をコンピュータ、センサー、機器間などで行うソフトウェア「MQTT」も採用された。
スタンシステムの自動制御式LED植物工場は、生育状況を把握するため、温度センサー、湿度センサー、CO2センサー、水分センサー、pHセンサー、ECセンサー、LED光装置、Webカメラを配置している。各機器からのセンサー・データや画像データを自動収集して分析し、栽培作物に最適な栽培環境を維持して植物を育成している。また、センサーやカメラにより、LED植物工場内の栽培環境を常時監視しているという。
今回スタンシステムでは、同LED植物工場にIBMのクラウド・サービスであるSoftLayerを採用。照明自動制御システム、自動栽培用レシピ管理システム、栽培履歴情報収集分析システム、画像処理システムなどのITシステムにSoftLayerを活用し、本番環境に東京のデータセンターを、バックアップに米サンノゼのデータセンターを利用している。
スタンシステムでは今後、LED植物工場用栽培環境最適化システム「スマートプラント」として、完全制御型植物工場構築・自動運用のための総合サービスを提供していくという。さらに、IBM Watsonを利用した、植物工場環境の最適制御システムも検討するとしている。
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