アルパインが中国市場攻略へ、現地大手ITサービス企業と合弁:車載ソフトウェア
アルパインは、中国の大手ITサービス企業であるNeusoftなどと、インテリジェント化する自動車に対応可能な車載ソフトウェア開発を行う合弁企業の設立に向けた契約を締結した。新会社の社名は、東軟睿馳汽車技術有限公司で、2015年8月中に設立する予定である。
アルパインは2015年7月29日、中国の大手ITサービス企業である東軟集団股分有限公司(Neusoft)、投資コンサルの瀋陽福瑞馳企業管理中心(福瑞馳)と、インテリジェント化する自動車に対応可能な車載ソフトウェア開発を行う合弁企業の設立に向けた契約を締結したと発表した。新会社の社名は、東軟睿馳汽車技術有限公司(東軟睿馳)で、同年8月中に設立する予定である。
アルパインとNeusoftは1991年から提携しており、アルパインのカーオーディオやカーナビゲーションシステム向けに、Neusoftがソフトウェアやサービスを提供してきた。今回の東軟睿馳設立は、両社がこれまで取り組んできた中国市場における自動車関連分野の事業拡大をさらに推し進めることを目的としている。
世界最大の自動車市場となった中国では、自動車にさらなる革新と変革をもたらす、クルマのインテリジェント化やインターネット化、新エネルギー化におけるソフトウェアや関連技術の開発が重要視されている。新会社の東軟睿馳は、両社の20年以上の共同研究開発成果をベースに、中国市場での事業拡大を目指す。
具体的には、電気自動車などに搭載される二次電池パックのエネルギー管理、画像認識やセンサー情報の融合による高度運転支援システムや自動運転技術、クラウドプラットフォームによるテレマティクス、コネクテッドカーなどの分野で研究開発を進め、事業化をしていくとしている。
東軟睿馳は、本社は上海市内に置き、代表はNeusoft総裁の王勇峰氏が務める。資本金は3億8460万元(約76億1500万円)で、出資比率はNeusoftが41%、アルパインが39%、福瑞馳が20%である。
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