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ボーイング次世代機を日本メーカー5社が製造、調達規模は5年で4兆円越え:製造マネジメントニュース
ボーイングの次世代旅客機「777X」の主要部品の一部製造を、三菱重工業、川崎重工業、富士重工業、新明和工業、日本飛行機の国内航空機メーカー5社が行うことが決定した。
ボーイングと日本航空機開発協会は2015年7月23日、ボーイングの次世代旅客機「777X」の開発・製造について正式契約を調印したと発表した。製造を行うのは三菱重工業、川崎重工業、富士重工業、新明和工業、日本飛行機の航空機メーカー5社だ。
ボーイングと今回の航空機メーカー5社は2014年6月に、777Xの主要構造部位の約21%を製造分担することに合意している。今回の契約はその合意が正式契約としてまとまった形だ。5社が担当するのは胴体、中央翼、圧力隔壁、主脚格納部結合、客室扉、貨物室扉、主脚扉、翼胴フェアリングなどである。
ボーイングはこれまで日本の航空機メーカーと、航空機の開発・製造について50年近くにわたって協力関係を続けている。今回の契約によるボーイングの日本からの調達規模は、今後5年間で約360億ドル(約4兆4000億円)に達する予測だ。
777Xは現行の「777ファミリー」をベースに開発が進められており、現在6社から306機の確定受注があるという。ボーイングは2017年に生産を開始し、2020年の初号納入を目指すとしている。
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