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初飛行を延期するMRJ、生産体制は大丈夫か半世紀ぶりの国産旅客機の実現へ(1/4 ページ)

三菱重工業とMRJの設計開発を担う三菱航空機は開発状況について説明を行い、初飛行を2015年9〜10月ごろに延期すると発表した。ただ、初号機の納入時期は変更せずに維持した。“納期維持”を実現する量産体制はどのように構築するのか。

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 1973年に製造終了となったプロペラ機「YS-11」以来、実に50年振りの国産旅客機として注目される「MRJ」。三菱重工業とMRJの設計開発を担う三菱航空機は2015年4月10日、MRJの開発状況および今後の量産体制について発表を行った。注目の初飛行は当初の同年5〜6月の予定から同年9〜10月ごろに見直されたものの、全日本空輸(ANA)に対して初号機を2017年第2四半期(7〜9月期)に納入するという予定は変更されていない。


「MRJ」の開発の進捗状況。初飛行は2015年9〜10月の予定となった 出典:三菱重工業(クリックで拡大)

 現在開発が進められているのは、静強度や疲労強度を試験する地上試験機2台と、初号機を含む5台の飛行試験機を合わせた7台だ。既に組み立てが終了しており、地上試験に移行しているのは初号機と静強度試験機の2台。初号機の初飛行が延期になった理由については、当初飛行後に予定していた地上での試験結果に基づく機体改修を前倒ししたためだという。今後米国で行う飛行試験の頻度を高め、試験期間を短縮することで初号機の納入予定を維持する予定だ。


現在開発が進んでいる各機体の進捗状況 出典:三菱重工業(クリックで拡大)

量産に向けた体制構築を本格化

 MRJの受注台数は2015年1月時点で合計407台。三菱航空機は2014年2月にMRJの量産に向けた体制構想を発表していたが、今回の発表でより具体的な量産体制が明らかになった。三菱重工業の工場拠点を活用し、さらに新たに新工場を設立して量産体制を強化していく。


MRJの量産準備状況 出典:三菱重工業(クリックで拡大)

 MRJの最終組み立てが行われるのが、2016年春の完成を目指して建設を進めている「小牧南新工場」だ(関連記事)。MRJの国内における飛行試験場の1つであり、実機の引き渡し場所でもある県営名古屋空港の隣接地に建設される。三菱航空機は2015年4月1日から本社機能を同空港内のターミナルビルに移しており、約1500人の社員をワンフロアに集めた。モノから人まで全てを集約することで開発体制を強化する狙いだ。


2016年春の完成を目指して建設を進めている「小牧南新工場」の完成イメージ 出典:三菱重工業(クリックで拡大)
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