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充実する国内充電インフラ、「電動車両第2世代」投入の舞台は整った和田憲一郎の電動化新時代!(15)(1/5 ページ)

ここにきて電気自動車/プラグインハイブリッド車といった電動車両用の充電インフラが総合的に充実しつつある。日本充電サービス、チャデモ協議会、電動車両用電力供給システム協議会という、充電インフラに関わる3つの企業・団体への取材により、2016〜2020年にかけての投入が予想される「電動車両第2世代」投入の舞台が整いつつあることが分かった。

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 2012〜2013年にかけて、CHAdeMO(チャデモ)対コンボという日本と海外の規格対立が表面化したこともあって、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)といった電動車両用の急速充電規格が話題になった。しかし2014年に入ってからは、トヨタ自動車が量産販売を始める方針を固めた燃料電池車が、走行中に排気ガスを出さない“ゼロエミッションカー”としての注目を一身に集め、急速充電規格どころかEVやPHEV自体もあまり話題に上らなくなった。

 ただその水面下では、電動車両用充電インフラが急速に設置数を伸ばすだけでなく、総合的な充実を見せている。そこで、日本の電動車両用充電インフラに関わる、日本充電サービス、チャデモ協議会、電動車両用電力供給システム協議会という3つの企業・団体に、その背景や今後の方向性、解決すべき課題などについてヒアリングを行った。

「ひと転がり目」をしっかり展開

 最初に取り上げるのは、電動車両に必要な充電器の設置活動および利便性の高い充電インフラネットワークの構築を目指して設立された日本充電サービス(NCS)である。NCS事務局長の羽野真美氏、事務局次長の山田耕一郎氏、入出金管理・経理部担当部長の村田竜一氏に、NCSの現在の活動内容や今後の展開を聞いた。

和田憲一郎氏(以下、和田氏) まずはNCS設立の経緯について教えてほしい。

羽野氏 きっかけになったのは2013年7月。当時、政府が充電インフラへの設置促進策として補助金の給付を打ち出した。そして、充電インフラの早期普及をさらに後押しするため、政府施策に呼応した形で自動車メーカー4社(トヨタ自動車、日産自動車、ホンダ、三菱自動車)の大同団結による取り組みもスタートした。

 この取り組みは、政府の補助金だけではまかない切れない設置事業者のコストを民間で一部負担することにより、充電インフラの設置を促進するとともに使いやすい充電ネットワークサービスを構築するというもの。政府だけでなく民間も参加して、普及のための最初の活動、いわゆる「ひと転がり目」をしっかり展開できないかと考えたからである。

 その後、設置費用、維持費用、電気代などの具体的な内容を決定し、2013年11月には専用窓口を設置して、公共性がある普通充電器や急速充電器の設置者に参加を呼び掛けた(関連記事:急速充電器に170万円まで支援金、トヨタなど大手4社が新制度)。そして2014年5月に、自動車メーカー4社によってNCSが設立され、直後に日本政策投資銀行が、9カ月後には電力会社も経営に加わった(関連記事:EVの充電インフラ整備は進むか、トヨタ、日産、ホンダ、三菱自が新会社を設立)。

左から、日本充電サービスの山田耕一郎氏、羽野真美氏、村田竜一氏
左から、日本充電サービスの山田耕一郎氏、羽野真美氏、村田竜一氏

和田氏 NCSの活動内容はどのようなものか。

山田氏 大まかに分けると2つの活動を展開している。1つは、充電器設置者に対する設置/維持/電気代などの権利金支払による普及促進活動である。補助金などでまかない切れない設置者のコストをカバーして導入が進みやすいようにしている。

 もう1つは電動車両ユーザーへのサービスである。「チャージスルゾウ」のロゴが付いた会員カードを1枚持つだけで充電ネットワークを利用してもらえるようにしている。自動車メーカーなどが発行する会員カード、もしくはNCSが発行するNCSカードに入会の上、それぞれの料金体系に従った利用料を支払っていいただくことで、便利な充電環境を手に入れられる。

「チャージスルゾウ」のロゴ
「チャージスルゾウ」のロゴ 出典:NCS

和田氏 チャデモ協議会、電動車両用電力供給システム協議会との連携やすみ分けはどのようになっているのか。

山田氏 NCSは基本的に、ネットワークづくりおよびサービス提供によるユーザーの利便性向上に努めている。チャデモ協議会、電動車両用電力供給システム協議会は、主に充電方式の規格化など技術的な情報発信や業界関係者の交流に特化しており、貢献対象とする分野が異なる。当社もチャデモ協議会の賛助会員として参画しおり連携を図って行きたい。

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