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「エクストレイル ハイブリッド」は胸アツエピソード満載の人情カーだった!今井優杏のエコカー☆進化論(19)(2/4 ページ)

「エクストレイル ハイブリッド」は、今後の日産自動車の製品展開にも期待を抱かせる、FF車向けハイブリッドシステムを搭載している。しかし筆者の今井優杏氏によれば、そのこと以上に「胸アツエピソード満載の人情カーだった!」とか。

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販売台数が少ないこと逆用してクリーンディーゼルをアピールしたマツダ

 でも実はディーゼルエンジンの素晴らしさは、押し出されるようなトルクやパワフルな走りにあって、実際今、こうしてモデルから姿を消したことを惜しむ声は小さくありません。

 今なら十分ソレが分かりますし、その走りにお金を惜しまないファンも増えているのではないでしょうか。

 逆に、そこで時期を上手く読んだのはマツダです。

 もともとの販売台数が少ないことをうまく利用し、ハイブリッド車やガソリンエンジン車だけに偏向する国内市場……というか、それらの退屈さ、ワンパターンさに飽き飽きしていたクルマ好き/走り好き層に、ディーゼルエンジンの楽しさを訴えました。

マツダの「CX-5」(左)とクリーンディーゼルエンジン「SKYACTIV-D 2.2」(右)(クリックで拡大) 出典:日産自動車

 国内自動車販売で言えば、日産のシェアは10.5%であるのに対し、マツダは5.7%と約半分程度(自動車産業ポータル・マークラインズ調べ)にすぎません。

 この事実を逆用して「全ての人の賛同を得られなくてもいい。この5%の人に響くクルマを作って行けばいい。そうしたらきっとクルマ好きは賛同してくれるはずだ」と開き直った強気のクルマづくりをしてきました。

 そしてメディアや輸入車、ひいてはかつてのエクストレイルが、針のような小さな穴から血のにじむような思いでこじ開けつつあった“クリーンディーゼルってイケてるんだよ”というイメージを、価格という魅力的なカードを武器に一気に突破してきます。

 余談ですが、もしかしたら、今ならクリーンディーゼルのエクストレイルは、ディーゼルエンジンへの良いイメージが浸透したことによって、少々お値段高めでも売れるんじゃないかな、なんて思うのです。

 これに対して日産のエンジニアは、不敵な笑みでおっしゃいました。

「止めたとは一言も言ってませんよ。いつでも戦う準備はできています」

 これを信じていいのかどうか、最近の日産のコンサバティブすぎる新車リリースの調子から見ると、ちょっとまゆつばモノですけど楽しみではあります。

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