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日本製造業は危機感が足りない?求められる「モノ作り」から「成果」への転換Industrial Internet of Things

アクセンチュアが英Economistと共同で実施した、世界各国企業のCEOを対象にしたIIoT(Industrial Internet of Things)についての調査結果を発表した。モノ作りや技術力の競争から、成果(モノ+サービス)を売る事業モデルへの転換がこれからのカギとなる。

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 コンサルティング企業のアクセンチュアは2015年7月1日、英Economist誌の調査部門であるEconomist Intelligence Unitと共同で行った、世界各国企業のCEOを対象にしたIIoT(Industrial Internet of Things:産業分野におけるIoT)についての調査結果を発表した。調査は日本を含む32カ国1405人の経営幹部(うち736人がCEO)を対象に行われたもので、回答企業の内78%が年間収益5億米ドル以上、日本企業(50社)については全て年間収益10億米ドル以上の規模を持つ企業となっている。

 全般的な傾向として、日本企業のCEOは競合企業の動きや市場変化について緩やかであると考える傾向があるとしている他、特徴的なのがIIoTについてのとらえ方だ。日本企業はIIoTについて、新たな収入源というより効率化に期待をしており、その効果が及ぶ業界についても限定的だと考える回答が目立ったという。

 つまり、グローバル企業のCEOは、IIoTを成長機会の1つであり、さまざまな業界に影響を及ぼすと考え重要視する一方、日本企業はIIoTをオペレーション改善の1つであり、テクノロジ領域の話、コンシューマ向けサービスの1つとして認識している傾向があるといえる。

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IIoTへの期待 日本のCEOは売り上げ貢献に対する可能性を低く見ている
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IIoTに対する認識の違い
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IIoTが恩恵を受ける業界についての認識の違い 日本のCEOはIIoTをIT産業とB2C型ビジネスを中心としたトレンドとして認識している可能性があるという

 ではなぜグローバル企業はIIoTを新たなビジネス創出のカギとして重視するのか、アクセンチュア 戦略コンサルティング本部 統括本部長の清水新氏は「日本企業の経営者は“自分たちの事業が毀損(きそん)している”というが、それはモノ作りや技術力の競争から、成果(モノ+サービス)を売る事業モデルの競争に変化しているからだ」と指摘する。

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 清水氏はその例として米GEの航空機エンジンのビジネスモデルを挙げる。航空機エンジンの販売と保守サービスでは8兆円市場にとどまるが、IIoTを活用することで航空機自体のメンテナンスまで視野を広げれば20兆円市場となり、航空機運用の最適化までも視野に入れれば市場規模は78兆円市場にまで広がる。つまり、エンジンという製品の販売事業だけではなく、メンテナンスや航空機の運用計画最適化までも提供することで、“飛行機を飛ばす”というサービス事業への転換を図り、モノ作りだけでは得られなかった新たな収益を得るというのがGEのビジネスモデルだ。

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GEの航空機エンジンビジネス

 同様のモデルはタイヤメーカーの仏Michelinも構築を進めている。タイヤの販売だけでは市場は7兆円だが、タイヤにセンサーを埋め込むことで整備時間のアラートを出したり、燃費計算を行えば、運送業界を対象にして運用コストの最適化を提供でき、さらには走行距離に応じたタイヤレンタルによって“運送”というサービスを売ることすら可能にしている。その場合は視野に陸運全般を入れることになり、市場は50兆円まで拡大する。

 このビジネスモデルの転換を、清水氏は“物を売る”から“成果を売る”への転換と表現し、GEの「FastWokrs」やYahoo!Japanの「爆速経営」などを例に挙げながら、技術者ではなく経営者、CEOが意識すべき課題だと指摘。清水氏の所属する戦略コンサルティング本部はそのサポートを行っていくとした。

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