切削RPマシンを活用した先進的な研究事例を披露:DMS2015
ローランド ディー.ジー.は「第26回 設計・製造ソリューション展(DMS2015)」(会期:2015年6月24〜26日)に出展し、同社製品の導入が進んでいる教育機関での先進的な活用事例を紹介した。
ローランド ディー.ジー.(以下、ローランドDG)は2015年6月24〜26日の3日間、東京ビッグサイトで開催されている「第26回 設計・製造ソリューション展(DMS2015)」に出展。製造業と並び同社製品の導入実績が高い、教育機関での先進的な活用事例の数々を紹介した。
大学などの研究現場では、研究テーマが最先端であるが故に、研究で使いたいパーツや装置が世の中に存在せず、必要なものを自分たちで作ったり、カスタマイズしたりするケースがよくあるという。そうしたニーズに応えるのが同社の切削RPマシンをはじめとする汎用性の高い工作機械だ。
札幌市立大学 デザイン学部デザイン学科/三谷研究室では、「MDX-40A」を用いてワニ型ロボットの外装と、中に組み込まれた基板を切削加工したという。「MDX-40Aを活用することで、筺体にきれいに収まるオリジナルの基板を削り出すことができる」(説明員)。同社の切削RPマシンは、高度な技術・スキルを必要とするNC加工機よりも簡単に扱えるため教育機関への導入につながっているのだという。
さらに、武蔵野美術大学 造形学部彫刻学科/彫刻学科研究室では、「ZBrush」で3Dモデリングしたデータを切削RPマシン「MDX-540」+ATCユニット「ZAT-540」を用いて削って彫刻作品を仕上げている。「3Dプリンタでも立体を造形することができるが、表面精度が非常に高く、ケミカルウッドや木材などを材料として使えるため、彫刻作品としての高いクオリティが出せるのが特長である」と説明員。同社では光造形方式の3Dプリンタ「ARM-10」を取り扱っているが、精度と使用する材料のバリエーションを重視する場合は、切削RPマシンの方が適しているという。
東京大学からは3つの事例を紹介。1つは東京大学 大学院 工学系研究科バイオエンジニアリング専攻/一木研究室の事例だ。同研究室では、MDX-540+ZAT-540を活用して、マイクロ流体デバイスの試作品開発を行っている。「非常に高い精度が求められる研究であるため切削RPマシンで対応している。図面データさえ用意できれば非常に簡単な操作だけで切削加工が行える」(説明員)。もう1つは、医工連携による研究開発で「MDX-540S」が活用されている。具体的には脳の開頭領域を小さくするための研究や、脳外科用の手持ち型デバイスの形状確認などに利用されているという。さらに、東京大学 大学院 医学系研究科 生体物理医学専攻医用生体工学講座/生体機能制御学分野では、人工心臓を構成する血液ポンプパーツの試作にMDX-540の他、「MDX-40A」「PNC-3100」を活用している。
同社ブースでは、他にも名古屋工業大学、大阪産業大学、大阪工業大学などでの活用事例を紹介していた。「DMS2015の会場で、教育機関による先進的活用事例を示し、製造業の第一線で活躍する設計者の方々に刺激を与えることで、新たなアイデアを創出する際のヒントを提示できればと思い、今回このような展示を行うことにした」(説明員)。
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