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16nm世代の車載プログラマブルSoCでザイリンクスが先手、2017年夏に量産開始車載半導体(2/2 ページ)

FPGA大手のザイリンクスが車載分野における事業展開を説明。フォードやホンダ、フォルクスワーゲンなどの量産車への採用事例を挙げるとともに、16nm世代のプログラマブルSoC「Zynq UltraScale+」を2017年第3四半期に量産することを明らかにした。

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「競合他社はADASの採用事例を挙げられない」

 田中氏は、ザイリンクス製品を採用したADASを搭載する量産車を列挙した。

 Ford Motor(フォード)のピックアップトラック「F-150」の最新モデルでは、サラウンドビューと駐車支援システムに車載FPGAの「XA Spartan-6」が採用されている。ホンダは、前世代モデルでXA Spartan-6を採用していたが、「CR-V」や「レジェンド」、高級車ブランドAcura(アキュラ)の車両にはZynqファミリが用いられている。詳細は説明しなかったが、ホンダの最新の運転支援システム「ホンダセンシング」に用いられているようだ。

 さらに、Volkswagen(フォルクスワーゲン)とAudi(アウディ)の単眼/ステレオカメラにもZynqファミリが採用されている。


フォード(左)、ホンダ(中央)、フォルクスワーゲンとアウディのザイリンクス製品の採用事例(クリックで拡大) 出典:ザイリンクス

 田中氏は、「競合他社は、アウディが『International CES』で発表した運転支援用中央制御ユニット『zFAS』に採用されていることを強調している。しかし、現在量産されているアウディの車両のADASに採用されているのは当社の製品だ。競合他社は、ADAS向けの量産出荷実績を当社のように出すことがまだできていない」と語気を強める(関連記事:「国内車載分野の採用数は2年で7倍に」、アルテラが手応え)。

「Zynq UltraScale+」は半自動運転システム向け

 Zynqファミリで実績を積み上げつつあるザイリンクスだが、2018〜2022年ごろに量産車への搭載が見込まれる半自動運転システムに必要な機能を集積した16nm世代のプログラマブルSoC「Zynq UltraScale+」の車載品も開発している。

ザイリンクスのADAS向け製品開発のロードマップ(左)。ISO 26262の安全要求レベルであるASILも重視している。「Zynq UltraScale+」のシステム構成(右)(クリックで拡大) 出典:ザイリンクス

 現行の28nm世代のZynqは、プログラマブルなFPGA部の他に、ハードウェアマクロとしてARMのアプリケーションプロセッサコア「Cortex-A9」を2コア搭載していることが特徴になっている。Zynq UltraScale+では、FPGA部の容量や機能を拡張するとともに、アプリケーションプロセッサコアを64ビットの「Cortex-A53」にして4コア搭載する。さらに、自動車向け機能安全規格であるISO 262626への対応を重視し、リアルタイム処理向けのプロセッサコアである「Cortex-R5」を2コア、各回路ブロックをセーフシャットダウンできるパワーマネジメントユニットなども組み込んだ、さらに、グラフィックスプロセッサの「Mali-400MP」や、H.265/HEVCコーデックなども用意している。

 田中氏は「車載グレードのZynq UltraScale+は2017年第3四半期に量産を始める。今後もADASや自動運転技術の進化を、プログラマブルなソリューションで支えていく」と述べている。

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