「国内車載分野の採用数は2年で7倍に」、アルテラが手応え:車載半導体(1/2 ページ)
FPGAベンダー大手のAlteraが、同社の車載分野事業の動向について説明した。2012年11月に日本市場への注力を発表して以降、2014年までにアルテラ製品の日本国内での採用数は約7倍にまで拡大したという。
FPGAベンダー大手のAltera(アルテラ)は2015年1月8日、東京都内で記者向け説明会を開き、同社のSr.Stragetic Marketing Manager Automotive Business Unitを務める生島孝之氏が、同社の車載分野事業の現状について説明した。アルテラは2012年11月に、日本国内で車載分野における事業展開を積極的に展開していく方針を発表している(関連記事:アルテラが車載分野への本格展開を宣言、年率20%以上の売上高成長を見込む)。
車載向けPLDの累計出荷数は4000万個を突破、製品ラインアップも拡充
生島氏によれば、アルテラが2011年度までに世界全体に出荷した車載向けPLD(Programmable Logic Device)の累計出荷数は約1000万個だった。この数字は、2014年度までの3年間で約4000万個まで増加したという。
製品ラインアップも順調に拡大している。アルテラは2013年5月に、同社のFPGAに最適な電源ICの開発を狙い、電源メーカーのEnpirion(エンピリオン)を買収している。Enpirionブランドで電源IC/モジュール製品「Power SoC」の事業展開を進め、従来Enpirion製品にはなかった、車載導体の品質規格であるAEC-Q100に準拠した9種類の製品ラインアップを用意した。
FPGA製品についても、現在、2014年10月に試作サンプルの出荷を開始した「MAX 10 FPGA」のAEC-Q100の認証試験を進めているという。このMAX 10 FPGAを含めれば、Enpirion Power SoCシリーズ、「Max V」「Cyclone IV」「Cyclone V」「Cyclone V SoC」の6種類の製品ラインアップがAEC-Q100に対応することになる。
OpenCLに対応、サービス領域にも注力
生島氏は「アルテラはこうしたFPGAなどのデバイスの提供に加え、FPGAを利用するユーザーの設計・生産効率を高めるソリューションの提供にも注力している」と語る。その一例として同氏は、機能安全に関するものではCyclone V SoCに対応する自動車向け機能安全規格であるISO26262のセーフティマニュアルや、FMEDA(Failure Mode, Effect and Diagnostic Analysys)に基づく製品の故障率を分析するツールの提供を開始した例を紹介した。
また、車載ソフトウェア標準のAUTOSARに対応するデバイスドライバのMCAL (Microcontroller Abstraction Layer)や、C言語でFPGAのプログラミングができるOpenCL(Open Computing Language)に対応したSDK(Software Development Kit)をCyclone V SoC向けに提供している。
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