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プログラマブルSoCが量産車の運転支援システムに採用、本格導入フェイズへオートモーティブワールド2015(1/2 ページ)

ザイリンクスは「オートモーティブワールド2015」において、プログラマブルSoC(System on Chip)「Zynq-7000」を利用した車載カメラシステムのデモンストレーションなどを披露。先進運転支援システム(ADAS)におけるプログラマブルSoCの有用性をアピールした。

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 ザイリンクスは、「オートモーティブワールド2015」(2015年1月14〜16日、東京ビッグサイト)内の「第7回国際カーエレクトロニクス技術展」において、プログラマブルSoC(System on Chip)「Zynq-7000」を利用する車載カメラシステムのデモンストレーションなどを披露し、さまざまな先進運転支援システム(ADAS)への有用性をアピールした。


5台の車載カメラの映像を同時処理


ザイリンクスが展示したラジコンカーを利用したデモンストレーションの様子。写真上部のスクリーンにZynq-7000で処理された映像が表示されていた(クリックで拡大)

 Zynq-7000は、ARMのアプリケーション処理用プロセッサコア「Cortex-A9」をデュアルコア構成で搭載し、周辺機能や入出力機能(I/O)をFPGAのように再構成できるIC。ザイリンクスのブースでは、ラジコンカーの中央と前後左右に設置した5台の車載カメラからの映像を、Zynq-7000で処理するデモンストレーションが披露された。

 ザイリンクスは昨年の同展示会でも同様のデモンストレーションを披露していた。今年のデモンストレーションでは、昨年のものと比較して車載カメラが1台増え、ラジコンカーに搭載する評価ボードも「Xylon logiADAK3.0」にバージョンアップ。同ボードのZynq-7000は、前回の「ZC702」に比べてロジックセルの規模が約4倍に達する「ZC706」に変更されている。

サラウンドビュー(左)の他、車両前方の歩行者の認識(中)、ドライバーの死角となる車両後方部分を映像表示するデモンストレーション(右)が披露された(クリックで拡大)

 デモンストレーションでは、前後左右の4台のカメラを利用して車両周辺の状況を表示するサラウンドビューや、上部のカメラを利用して車両前方の歩行者を認識するシステム、ドライバーの死角となる車両後方部分を、左右と後方の3台のカメラの映像を合成して視認できるようにするシステムなど、複数の機能が披露された。これらの機能は駐車時をイメージしたものだが、高速走行時には他の機能が必要になる。そこで、Zynq-7000のプログラマブルロジック部が再構成可能なことを利用して、ボタンを1回押すだけで車載カメラシステムの機能を変更できる様子も示した。

 こうした機能の切り替えを行う場合、現状ではZynq-7000内の複数の車載カメラに関する全てのIPコアを毎回書きかえている。米国本社Xilinxのオートモーティブ事業部でマーケティング/製品企画部門のシニアマネジャーを務めるケビン田中氏によれば、「FPGA部の全てを書き換えるのではなく、書き換えが必要な部分だけを変更する『パーシャルリコンフィギュラブル』も利用できるよう開発を進めている」という。

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