プログラマブルSoCが量産車の運転支援システムに採用、本格導入フェイズへ:オートモーティブワールド2015(2/2 ページ)
ザイリンクスは「オートモーティブワールド2015」において、プログラマブルSoC(System on Chip)「Zynq-7000」を利用した車載カメラシステムのデモンストレーションなどを披露。先進運転支援システム(ADAS)におけるプログラマブルSoCの有用性をアピールした。
ホンダやフォルクスワーゲンの量産車にも採用
ザイリンクスのブースでは、沖電気工業のグループ会社であるOKIアイディエスが、ザイリンクスのアライアンスパートナーであるXylonの「Video Acceleration IP」を利用したZynq-7000対応の車載向け画像処理プラットフォームを展示していた。Zynq-7000を使い、最大1080p/60fpsでの映像のリアルタイム入出力処理、映像と画像の重ね合わせや拡大縮小などが行えるという。
OKIアイディエスとXylonは、2014年11月に日本国内におけるADASの設計受託市場への参入を目的とした技術提携契約を締結している。田中氏は「OKIアイディエスは以前から監視カメラや産業機器向けでFPGAを活用したカメラソリューションの受託開発を行っていたが、今回のXylonの提携で車載分野に本格的に進出することになった。おかげで、国内メーカーからのカメラを用いたADAS関連の案件がさらに増えている」と語った。
また田中氏は、ホンダとVolkswagen(フォルクスワーゲン)の運転支援システムにZynq-7000が採用されたことを明らかにした。ホンダについては、2015年2月から日本市場への導入を始める「Honda SENSING(ホンダ センシング)」の単眼カメラの映像処理に用いられているとみられる。さらに、「2015年以降も続々と採用が広がっていく見込み。ADASにおけるプログラマブルSoCの有効性に対する認識は深まっている」(田中氏)という。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- ザイリンクスが「業界で初めて」20nmFPGAを量産へ
ザイリンクスは2014年12月18日(米国時間)、20nmプロセスを使用したFPGA「Kintex UltraScale KU040」の量産を開始したと発表した。 - “早変わりする”運転支援システムの実現へ、FPGAが車載機器に変革をもたらす
車載機器におけるFPGAの利用が本格化している。車載分野での事業展開を強化しているFPGA大手のXilinxは、カーナビゲーションシステムをはじめとする車載情報機器に次いで、再構成可能というFPGAの特徴を生かすことで運転支援システムも有望市場になると見込む。 - ザイリンクスが28nmFPGA「Artix-7」に車載対応品を追加、「Zynq」を補完
ザイリンクスは、車載ICの品質規格であるAEC-Q100に準拠するFPGA製品群「XA FPGA」に、「Xilinx 7シリーズ」の中でもコストと消費電力を低く抑えたことを特徴とする「Artix-7」を追加した。