二酸化炭素を測定できる酸素マスクシリーズに成人用モデルを追加:医療機器ニュース
日本光電は、酸素投与をしながら患者の呼気の二酸化炭素を測定できる酸素マスクシリーズに、成人用2モデルを追加した。1つのマスクで、酸素供給と呼気の二酸化炭素の連続モニタリングができる。
日本光電は2015年6月11日、酸素投与をしながら患者の呼気CO2を測定できる「CO2センサーキット 酸素マスクシリーズ」に、「成人用cap-ONEマスク YG-272T」と「成人用cap-ONEマスク(大)YG-282T」を追加したと発表した。
同酸素マスクシリーズは、呼吸回路内にあるセンサーでCO2濃度を測定するメインストリーム式のCO2測定用酸素マスクとなる。2012年に小児用・幼児用を発売したが、成人用のニーズに対応するため、新たに成人用2モデルを追加した。
成人用cap-ONEマスクでは、世界最小・最軽量クラスのCO2センサー「TG-970P」と組み合わせることで、酸素投与をしながら非挿管で呼気CO2測定を可能にした。また、同社の生体情報モニターや除細動器、呼気炭酸ガスモニターにより、呼気CO2値、波形、呼吸・循環の変化などを速やかに把握できる。
さらに、鼻・口呼吸による呼気CO2は計測部へ、余剰な呼気CO2はマスクの外へ流し、酸素は顔に吹き付けて拡散させる構造を採用。これにより、一般的な酸素マスクに比べて酸素濃度変化を小さく抑えた。呼気を集めるカップの構造は、顔の形状に合わせてスライドするため、ずれにくく、測定精度も向上している。
プレホスピタルを含むさまざまな医療現場で使用可能で、救急、手術室、集中治療室、回復室、一般病棟での鎮静・鎮痛時の呼吸管理や、術後管理、各検査時の鎮静管理に加え、呼吸器疾患で治療方針を決めるための参考データとしても利用できる。また、1つのマスクで酸素供給と呼気CO2連続モニタリングを可能にしたことで、血液ガス分析装置での測定回数を減らしても、容体変化を早期に発見できるとしている。
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