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「NX」の戦略を紹介――タッチパネル操作やCAEで点群利用のデモもSiemens PLM Connection Japan 2015(3/3 ページ)

シーメンスPLMソフトウェアはユーザーイベントの中で、「NX」の最新バージョンである「NX10」の新技術や開発方針、製品ラインアップの強化などについて語った。

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より高度な最適化

 最近の新しい取り組みは、より高度な最適化解析と、リバースエンジニアリングデータ、つまり点群データのCAE利用だという。

 最適化解析については、現在NX CAEに標準で形状最適化機能が搭載されている。ウィザード形式で簡単に行えるが、変数範囲は初期条件を含む、同時解析ジョブ数が1つのみ、最適化アルゴリズムの選択肢がないといった制限事項がある。そこで、伊ESTECOの最適化ツール「modeFRONTIER」のダイレクトインタフェースのモジュールを提供している。

 modeFRONTIERは、目的関数は複数が可能で、変数制限がなく、どこに最適値があるのか分からなくても最適化ができる。また、複数のアルゴリズムをサポートしているので一番適したもので効率良く処理できるという。さらに、対象解析領域を音響・構造の連成解析を含む振動応答解析や非線形解析まで拡大できる。このインタフェースは、「NX8」から対応している。

点群利用に対応

 点群データは、今までCAEで利用されることはなかったという。点群データをそのままFEMデータにはできないためだ。「かつては、X線スキャンデータの利用という話もあったが、現在は大きな設備を使わなくても簡単にスキャンデータが取れる。非常にデータのコストが下がっているため、それを利用できる」(佐藤氏)。

 通常は、スキャナとセットの処理ソフトでSTLデータに変換できる。STLファイルはNXで読み込むことが可能だ。NXでは、これをリバースエンジニアリング機能によってCADデータにするか、またはそのまま解析することも可能だ。流体解析で利用するサーフェスラッピングの技術で、面を滑らかにしてメッシュを切っていく。例えば、リバースエンジニアリングの作業に、NX10より前では1週間かかっていたものが、NX10では30時間でできるようになったという。

 NX CAEの方向性としては、設計とCAEの統合、アセンブル設計とCAEの統合、複合解析の統合環境といったトレンドをベースに開発を進めていくということだ。

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