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DXFの線画の幾何形状も自動認識、ドラッグで自由に修正――NX9CADニュース

シーメンスPLMソフトウェアは3次元CAD/CAM/CAE統合システム「NX9」の開発では、デザインの効率化、CAEのメッシュ機能強化、Teamcenterとのより密な統合の3項目について重点的に取り組んだという。

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 シーメンスPLMソフトウェアは、2014年5月29日に記者説明会を開催し、3次元CAD/CAM/CAE統合システム「NX9」の最新版「9.02」の新機能について紹介した。NX9の開発では、デザイン(モデリングやドラフティング)の効率化、解析(NX CAE)のメッシュ機能強化、Teamcenterとのより密な統合の3項目について重点的に取り組んだという。

 今後もNX9は何回かマイナーアップデートしていく。次期バージョン「NX10」の発売については、2015年後半を予定しているということだ。

 NX9は新機能「NX Realilze Shape」を追加し、サブディビジョンサーフェシングに対応した。サブディビジョンサーフェシングとは、プリミティブ形状(基本形状)に「ケージ」と呼ばれる囲み(メッシュ)を張り巡らせ、制御点やハンドルを操作して3次元形状を変形させていく、いわゆる「モーフィング」の手法だ。Realilze Shapeで作成した形状はNURBSサーフェスとして利用できる。サーフェスに厚みを与えソリッド化することも容易に可能だ。


NX Realilze Shape

 レンダリング機能の「レイトレーススタジオ」はマルチコアCPU・GPUに対応し、レンダリングイメージの品質向上をかなえたという。


レイトレーススタジオによるイメージ

 ユーザーの要望が特に多かったという2次元作図(プロファイル)機能についても、新機能「シンクロナス2D」を採用することで改良に取り組んだ。いわゆる従来の「シンクロナス3D」の2D版だ。DXFなどの2次元データを取り込むと幾何形状を自動認識し、幾何学的定義を保ったままドラッグで、移動やオフセット、回転、削除など形状修正ができる。修正の際は円弧やフィレットも維持する。三面図も互いに連動し、1面の外形がドラッグで引き延ばされれば、他の面も自動的に適切な方向へ引き延ばされる。


シンクロナス2Dでの作業画面

 製図の際の寸法記入では、並列寸法から並列寸法に切り替えるなど、寸法の記入方式を簡単に切り替えられる機能を追加した。

 NX CAEでは「メッシュモーフィング」が新たに加わった。形状修正後も既存のメッシュをそのまま利用可能だ。形状が修正されるごとにメッシュを切り直すのではなく、メッシュトポロジー全体の整合性は維持され、変更後の形状と一致するように、既存のメッシュの接点が新しい位置に再計算される。形状修正に伴うメッシュ処理時間が短縮できるという。また、円筒やフィレット、穴の周囲にある四面体メッシュの制御を改善した。


メッシュモーフィング

 「Active Workspace クライアント(AWC)」では、NX側から同社のPLM「Teamcenter」のデータにアクセスし、製品に関するさまざまな情報やドキュメントを検索することができる。AWCはMicrosoft Officeなど外部のツールに組み込むことも可能だ。

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