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ヒトとの相乗効果はロボットを新しい次元に引き上げる、MMSE金岡氏に聞く搭乗型巨大ロボットの作り方(後編)インタビュー(2/2 ページ)

ヒトの動きがロボットの動きになるロボット「MMSEBattroid」を開発したMMSE 金岡氏が次の実現を狙うのが、4メートルクラスの搭乗型ロボットだ。実現に向けた技術的な課題はなく、各分野の協力を得られれば5年以内に実現するだろうという。

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――搭乗型ロボットの実現に向けて、現在はどんな研究をしているのでしょう。

金岡氏: MMSEBattroidは移動を車輪で行っていて、いわば“上半身”だけのロボットですが、それだけで終わるのは当然、本意ではありません。人間との相乗効果を最大限に発揮させるためには、やはり「足」が必要です。そこで今は二足歩行の“下半身ロボット”を開発しています。現在はメカ部分ができたところです。これから制御ソフトウェアを実装して、2015年度内に完成させたいと考えています。もしかしたら、2016年のニコニコ超会議には、この二足歩行ロボットが出ることになるかもしれません。

 今開発している二足歩行の下半身を、上半身としてのMMSEBattroidと合体させることは、今のところ考えていません。しかし、上半身も下半身も2メートル程度の高さがあるので、上半身と下半身がそれぞれMMSEとして制御できることが示されれば、実質的には4メートル級の巨大人型ロボットが実現可能であることの証明になります。これは、引き続き搭乗型の巨大人型ロボットを開発するリソースを得るための重要な布石となると考えています。

――足もマスタースレーブで動かすのですか。

金岡氏: はい。ただ、上半身の場合、現在取り組んでいるマスタースレーブ技術だけでほぼ問題ないですが、下半身の場合、ロボットの二足歩行を全部人間の操作に任せると、操縦には非常に高度なスキルが必要になるはずです。屋内の整地でも屋外の不整地でも、人間は無意識に適切なバランスを取って歩行しています。意識的な動作だけでなく、無意識的な動作も含めてロボットに反映させるのは、とても難しいことだからです。

 そこに、MMSEの考え方が適用できます。人間の操作とロボットの自律制御、両方がシームレスに重ね合わされ、人間は意識せずに操作できるという実装が理想。人間はいちいち頭で考えて二足歩行していませんので、これは人間の感覚にも合っています。無意識でやっていることはロボットの自律制御に任せる。すると人間は意識的な操作だけに集中できる。マスタースレーブとしては合理的です。

――私もガンダム世代なので、搭乗型ロボットの実現が楽しみです。

金岡氏: ありがとうございます。搭乗型の巨大人型ロボットは、誰もが夢見て、誰もが知っているシステム。それが実現できるという感触が自分の中にあるというだけでも、今、すごくワクワクしています。ただ、まずは新しい開発拠点を探さないといけませんね。今の研究室の中で作ると、ロボットが部屋の天井から壁から、突き破ってしまうので(笑)。

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