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エンジンの排気再循環ガスを直接かつ高速応答で計測する装置:人とくるまのテクノロジー展2015
島津製作所は、「人とくるまのテクノロジー展2015」において、外部EGR(排気再循環)システムの吸気側の酸素濃度や二酸化炭素濃度を高速応答で計測できる「EGR-chaser」を展示した。
島津製作所は、「人とくるまのテクノロジー展2015」(2015年5月20〜22日、パシフィコ横浜)において、外部EGR(排気再循環)システムの吸気側の酸素(O2)濃度や二酸化炭素(CO2)濃度を高速応答で計測できる「EGR-chaser」を展示した。
EGR-chaserは、エンジンの燃焼効率向上のために採用が広がっている外部EGRシステムによって再循環される排気ガス内の酸素濃度もしくは二酸化炭素濃度を、半導体レーザーを使って光学的に計測する装置だ。計測の応答時間は10msと高速である。
計測に用いる差し込み式プローブは200℃までの耐熱性を有している。このため、エンジンにこのプローブを差し込めば、再循環される排気ガスを直接計測することが可能だ。
「従来は、再循環した排気ガスをサンプリングして計測を行う必要があり、計測結果を出すのに数秒単位で時間がかかっていた。EGR-chaserはこれらの課題を解決できる」(同社の説明員)という。
EGR-chaserは、ディーゼルエンジン向けのO2計測タイプと、ガソリンエンジン向けのCO2計測タイプの2種類がある。価格は1200万円だ。
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