CC-Link協会の幹事会メンバーにシスコが加入:FAニュース
産業用オープンネットワーク「CC-Link IE」の普及活動を展開するCC-Link協会は、米国シスコが新たに幹事会メンバーとして加盟したことを発表した。
イーサネットベースの産業用オープンネットワーク「CC-Link IE」の普及活動を展開するCC-Link協会は2015年5月29日、米国シスコが新たに幹事会メンバーとして加盟したことを発表した。
IoT(Internet of Things、モノのインターネット)の進展から工場のデジタル化やネットワーク化の動きが加速しており、世界的にもさまざまな「つながる工場」を実現に向けた動きが活発化している。産業用オープンネットワークはその実現の一端を担う重要な技術で、注目度が高まっている。
CC-Link IEは1Gビットの広帯域性を持ち、高速性や定時性などを備えた信頼性の高い産業用オープンネットワークで、主にアジア地域の工場や製造現場などで利用されている。
CC-Link IEは通信の定時性を確保するために独自のプロトコルを実装しているが、製造業で使われる端末やネットワークが多様化していることから、今後はTCP/IP技術を取り込むことを検討している。今回のシスコの加盟により、シスコが持つTCP/IPやセキュリティ技術、イーサネットスイッチなどに関する高い知見を取り込み、CC-Link IEのさらなる進化に取り組んでいく方針としている。
CC-Link協会の幹事会は、発足当時は日本メーカー6社で構成されていたが、CC-Link IEのグローバルな普及を背景に、海外企業の加盟も拡大している。今回のシスコの参画は2014年11月の米Molexに続くもので、10社目の幹事会メンバーとなる。
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