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燃料電池車「ミライ」で“バック・トゥ・ザ・フューチャー”が現実に!今井優杏のエコカー☆進化論(18)(3/4 ページ)

燃料電池車「ミライ」の燃料は水素。この水素は、今までイラナイものだった下水汚泥からも作ることができる。でも、イラナイものでクルマが走るって、“バック・トゥ・ザ・フューチャー”の「デロリアン」と同じでは?

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「どこで水素買ったらエエのん?」

 これだけいいことがたくさんある燃料電池車。じゃあ普及への問題点は何かと言うと、「だからどこで水素買ったらエエのん?」ってことです。

 東京都在住の私ですら、パッと思いつくステーションは数えるほど。それでも複数あるだけやっぱり東京という地の利を感じます。地方に行ったらさらに難しいでしょうね。2015年現在、日本国内の水素ステーション(水素を充填できるスタンド)設置数は、わずか8都県、21カ所(建設中のものは除く、燃料電池実用化推進協議会調べ)。

 対してガソリンスタンドが3万4706カ所(資源エネルギー庁調べ)ですから、比較のしようがありません。電気自動車用の方も普通充電器で8676カ所、急速充電器で5721カ所(Webサイト「GoGoEV」より引用)とこちらもものすごい普及率。

 ガソリンには歴史がありますし、もともとある電力網を転用できる充電器も有利です。

 しかし燃料電池車は、国の後押しもメーカーの後押しも受けて、これからどんどん伸びていく分野であることは間違いありません。

 例えば、ここなんかどうでしょうか。

 東京タワーのふもと、芝公園のほとりに、なんだか近代美術館を思わせるようなすてきな建物ができました。

 それが「イワタニ水素ステーション 芝公園」。燃料電池車に実際に試乗できる、日本初のショールーム併設型の水素ステーションです。

「イワタニ水素ステーション 芝公園」の外観
「イワタニ水素ステーション 芝公園」の外観(クリックで拡大) 出典:トヨタ自動車

 岩谷産業といえば、日本だと冬場にお世話になる人も多いかなと思います。今調べたら私の家のモノも案の定イワタニ製でしたが、カセットコンロを作っている会社なんです。あとは家庭用ミキサーとかストーブなんかも製造しているのですが、それはイワタニの横顔のほんの一部。

 そもそもLPガスの総合インテグレーターとして輸入から販売までを行う岩谷産業は、いわばエネルギーのスペシャリスト。そんなイワタニが水素と出会ったのは、1941年のことでした。わお! うちの父よりお兄さんなんですね!

 イワタニは、工業生産の過程で副産物として発生していた水素を初めて販売した国内水素産業のパイオニアでした。のちに大阪水素工業を1958年から稼働させますが、水素分野の動きが活発化したのはやはり2000年代に入ってから。2002年に国内でいちばん最初となる水素ステーションを設立したのが、イワタニなのです。

 そもそもそんな風に水素に対しての素地を持っていたイワタニは、自動車産業が水素分野を必要としているのを察知するや、「他人がやるのを待っていては駄目だ」といち早く水素ステーション事業に着手。同社いわく「ガス屋として身の丈の商売しかできないから」と謙遜します。

「イワタニ水素ステーション 芝公園」で「ミライ」に水素を充填する様子(クリックで拡大)

 しかし今後展開していく水素への夢は大きく、2015年度中になんと実に20カ所もの自主運営ステーションの設置を目標に掲げました。

 うん、このイワタニの数字だけ見ていても、水素ステーションの普及に希望が持てますよね。

 ミライには、近所の水素ステーションを検索する機能があるんですが、そのリストも目に見えて増加して行くことでしょう。

「ミライ」の水素ステーション検索機能
「ミライ」の水素ステーション検索機能(クリックで拡大)

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