「ISO26262に完全対応」した電動パワステ、フォルクスワーゲンが採用:人とくるまのテクノロジー展2015
日本精工は、「人とくるまのテクノロジー展2015」において、自動車向け機能安全規格であるISO 26262に対応したコラムアシスト式電動パワーステアリングを展示した。
日本精工は、「人とくるまのテクノロジー展2015」(2015年5月20〜22日、パシフィコ横浜)において、自動車向け機能安全規格であるISO 26262に対応したコラムアシスト式電動パワーステアリングを展示した。
同社は2014年12月に、ISO 26262への“完全対応”をうたう電動パワーステアリングを発表している(関連記事:ISO26262対応の小型車用EPSシステムを開発)。今回展示したコラムアシスト式電動パワーステアリングは、2014年夏から量産しており、Volkswagen(フォルクスワーゲン)の小型車「フォックス」に採用されている。
ティア1サプライヤがISO 26262への対応をうたう場合、第三者認証機関の認証を取得することが多い。しかし日本精工が“完全対応”とする開発プロセスは自己認証となっている。同社の説明員は、「ISO 26262では、第三者認証機関の認証は必須ではなく、自己認証でもよいとされている。とはいえ当社が勝手に“完全対応”と言うのではやはり説得力がない。われわれがそう言えるのは、自動車メーカーによるISO 26262のアセスメントをきちんとクリアしたからだ」と語る。
また展示したコラムアシスト式電動パワーステアリングは、容積を従来比で10%低減した新規構造のECU(電子制御ユニット)や、トルク&角度一体型センサーなどを採用して小型化を図っている。「マイコンやトルクセンサーの診断機能を強化しているので、ISO 26262の要求安全レベルで最高となるASIL Dへの対応も可能だ」(同説明員)という。
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