ロボットタクシー設立の理由は「自動運転のレベル4で先駆けたい」:ZMP 社長 谷口恒氏 インタビュー(2/2 ページ)
ソーシャルゲーム大手のディー・エヌ・エー(DeNA)と「ロボットタクシー株式会社」を設立するZMP。「人とくるまのテクノロジー展2015」のZMPブースで、同社社長の谷口恒氏に、ロボットタクシーに取り組む理由について聞いた。
ロボットタクシーに「RoboCar MINIVAN」を提供
MONOist 今回DeNAとロボットタクシーを設立するが、ZMPとしての狙いは何か。
谷口氏 先ほど話した通り、当社の事業の中核はロボット技術や自動運転技術だ。これらを磨き上げて行くためには、常に新しいことにチャレンジしなければならない。自動運転技術には、現行の運転支援システムに相当するレベル1から、完全自動運転を可能にするレベル4まであるが、当社は自動運転技術のレベル4に国内で先駆けて取り組みたいと考えていた。
レベル4に取り組むには、レベル4を用いたアプリケーションが必要だ。しかし、国内の自動車業界の研究開発はおおむねレベル3以下にとどまっている。一方、DeNAが検討している完全自動運転車の配車サービスによる新たな事業展開は、まさに自動運転技術のレベル4を用いたアプリケーションになる。そこで互いの考えが一致し、ロボットタクシーを共同で設立することになった。
MONOist ロボットタクシーで使う自動運転車はどのようなものになるのか。
谷口氏 当初の実用化に向けた取り組みでは、今回展示しているRoboCar MINIVANを提供することになるだろう。ミニバンがベースなので、広い車室内をリビングルームや飛行機のファーストクラスのように使って、既存の“タクシー”とは異なるものにしたい。
センサーは、ソニーの車載CMOSセンサーを用いるステレオカメラRoboVision2と、サイドミラーやリヤ部に装着したカメラによる全周囲スキャンを行う。自動運転車の開発で広く利用されているレーザースキャナも当社は用意できるが、カメラによる全周囲スキャンを主軸にしたい。
自動運転技術はセンサー情報を処理するためのアルゴリズムが重要になるが、そこで機械学習やDeep Learningを活用してアルゴリズムのレベルアップを図る。アルゴリズムを動作させる制御装置には、インテルのプロセッサを組み込んだ「IZAC」を使用する。2015年の秋口には、これらの技術を集積したRoboCar MINIVANをロボットタクシーに提供できるだろう。
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