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中小企業の収益力、“差”を生むのはイノベーションへの意欲中小企業白書(2/4 ページ)

グローバル化の進展や長引く経済不況により、収益力の強化が求められている中小企業。政府が発表した2015年版「中小企業白書」では、中小企業を取り巻く環境の変化や、収益力の強化に向けて取り組むべき複数のポイントに関するの分析結果が公表された。本稿ではその概要を紹介する。

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イノベーションに向けた障壁とは

 企業の競争力を強化する上で必須となるイノベーション。白書の調査結果では、中小企業がイノベーションに向けて行っている活動の具体例として、「部署を越えた協業や社内コミュニケーションの活性化」「中途採用によって新たな空気を取り込む」といった組織・人材に関するもの、「社外との協業やコミュニケーションの増加」などの社外連携、「市場での差別化に向けた研究開発や市場リサーチ」など商品・サービスに関する内容が挙げられた。こうした活動を行うことを白書では「イノベーション活動」と表現している。

 白書では中小企業を、今後の注力市場を日本全国および海外とする「広域需要志向型」と、同一市町村/都道府県とする「地域需要志向型」に2分した場合、広域需要志向型企業の方が積極的にイノベーション活動に取り組んでいるという結果を示している。その要因として、広域で事業を営む企業の方が市場での差別化に向けた研究開発や、社外との協働が増えるような取り組みなどを意識しているという点が挙げられている。


中小企業のイノベーション活動の状況とその取り組みの内容(クリックで拡大) 出典:中小企業庁

 さらに、地域需要志向型の企業であってもイノベーション活動に取り組んでいる中小企業は、そうでない企業よりも利益を伸ばしている傾向にあるという結果も出ている。そのため白書では地域需型を志向する企業でも、イノベーション活動に取り組んでいくべきであるという提言がなされた。

 またイノベーション活動に取り組む際の課題に関する調査では、取り組む必要性の見極めが難しいといった点や、新たな活動を始めたものの事業化の時期が難しいなど、事業としての見極めやタイミングの部分を課題としている中小企業が多いことが分かった。また中小企業を規模別に見た場合、中規模企業は「人材不足」を課題としている一方で、小規模事業者の場合は「資金」がイノベーション活動を行う際の障壁になっているという。

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