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中小企業の収益力、“差”を生むのはイノベーションへの意欲中小企業白書(1/4 ページ)

グローバル化の進展や長引く経済不況により、収益力の強化が求められている中小企業。政府が発表した2015年版「中小企業白書」では、中小企業を取り巻く環境の変化や、収益力の強化に向けて取り組むべき複数のポイントに関するの分析結果が公表された。本稿ではその概要を紹介する。

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 政府は2015年4月24日に2015年版「中小企業白書」(以下、白書)を公開した。2014年4月からの消費増税による個人消費の鈍化や、石油価格の高騰などの影響もあり、中小企業の採算は依然として厳しい状況あることが指摘されている。さらにグローバル化の進展に伴い、従来の大企業と中小企業の相互依存関係は引き続き希薄化が進んでおり、中小企業は収益力の強化に向け、自ら市場と向き合い需要を獲得していく必要性が増しているという。

 白書ではこうした環境の変化によって、中小企業同士の収益力の差は拡大傾向にあると指摘している。大企業との密接な関係が希薄化し、多くの中小企業が市場の不確実性にさらされることが増えたことがその要因の1つだ。


製造企業における高収益企業と低収益企業の売上高経常利益率の推移(クリックで拡大)出典:中小企業庁

 特に中小企業の中でも資本金1000万円以下の小規模事業者同士で差が開いている。低収益企業の収益力はさらに低下する傾向にある一方で、一部の小規模事業者の中には大企業を上回る収益率を誇る事業者も存在している状況だという。

 では具体的に中小企業が収益力を向上させるにはどうすればいいのか。今回の白書では、中小企業の収益力の強化に向けた取り組みとしてポイントとなる「イノベーション」「販路」「人材」の3つにフォーカスした分析内容がまとめられた。以下でその概要を紹介する。

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