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「ハスラー」が「S-エネチャージ」搭載、1万5000円値上げもエコカー免税で相殺エコカー技術(1/2 ページ)

スズキは、SUVタイプの軽自動車「ハスラー」について、減速回生エネルギーシステム「エネチャージ」に替えて、加速時にモーターでエンジンをアシストするマイクロハイブリッドシステム「Sエネチャージ」を搭載する。1万5120円の値上がりになるものの、燃費向上でエコカー減税の免税対象となり、値上がり分はほぼ相殺される。

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 スズキは2015年5月13日、SUVタイプの軽自動車「ハスラー」に、マイクロハイブリッドシステム「Sエネチャージ」を搭載した機種を設定し、同日に発売すると発表した。エンジンが自然吸気でトランスミッションがCVTの車両について、減速回生エネルギーシステム「エネチャージ」に替えて、加速時にモーターでエンジンをアシストするS-エネチャージに変更する。これによって、JC08モード燃費は、FF車で29.2km/l(リットル)から32.0km/lに、4WD車で28.0km/lから30.0km/lに向上。2015年4月から新たに導入された平成32年度燃費基準に対して+20%達成車となり、エコカー減税の免税対象になった。

 エネチャージからS-エネチャージへの変更の対象となるのは、中位の「Gグレード」、上級の「Xグレード」、特別仕様車の「J STYLE」のFF車と4WD車。税込み価格は、GグレードのFF車が126万1440円、4WD車が138万7800円、XグレードのFF車が142万3440円、4WD車が154万9800円、J STYLEのFF車が149万4720円、4WD車が162万1080円。スズキによれば「これら全てのグレードで、S-エネチャージへの置き換えによる値上がりは1万5120円に抑えた」という。

「クリスタルホワイトパール」「クリスタルホワイトパール ブラック2トーンルーフ」 「ハスラー」は「S-エネチャージ」搭載に合わせてボディカラーに新色を追加。「クリスタルホワイトパール」(左)と「クリスタルホワイトパール ブラック2トーンルーフ」(右)(クリックで拡大) 出典:スズキ

 なお、従来のエネチャージ搭載車の燃費では、平成32年度燃費基準では+10%達成車にしかならない。エコカー免税の+20%達成車になったSエネチャージ搭載車は、+10%達成車のエネチャージ搭載車と比べると、支払う税額が1万3500円少なくて済む。1万5120円の値上がりは、1万3500円少なくなる税額によってほぼ相殺される。

モーターアシスト時間を6秒から30秒に延長

 S-エネチャージは、2014年8月発表の「ワゴンR」で初めて採用されたマイクロハイブリッドシステムだ(関連記事:スズキのガソリンエンジン開発目標は平均熱効率で40%、2020年初頭に達成へ)。スターターモーター機能と走行アシストのためのモーター機能を併せ持つ「ISG(モーター機能付き発電機)」と、S-エネチャージ専用のリチウムイオン電池パック、アイドルストップ車専用の鉛バッテリーなどから構成されている。

「S-エネチャージ」の減速時の動作イメージ「S-エネチャージ」のモーターによるエンジンアシストの動作イメージ 「S-エネチャージ」の減速時(左)とモーターによるエンジンアシスト(右)の動作イメージ(クリックで拡大) 出典:スズキ

 今回のハスラーへの採用では、ワゴンRの時と比べて、S-エネチャージの機能が改良されている。まず、ISGのモーターアシスト時間が、従来の最長6秒から最長30秒に拡大した。さらに、モーターアシストする速度域を、従来の時速15〜85kmから発進後〜時速約85kmに広げて、モーターアシストする頻度を向上した。

 エンジンの「R06A型」にも改良が加えられている。圧縮比を11.0から11.5に高めるとともにEGR(排気再循環)システムを採用。吸気/排気系の見直しや低中速の動力性能を向上して、燃費性能の改善につなげている。また、エキゾーストマニホールド一体型シリンダーヘッドの採用や触媒ケースを簡素化などにより、軽量化とコンパクト化も実現。さらに、S-エネチャージの要であるISGの搭載に合わせて、補機ベルトシステムなどを変更したという。

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