水を使わない近未来の消防車、空気から作り出した高濃度窒素ガスで火を消す:車両デザイン
モリタグループは、水を使わずに消火活動を行う消防車「Miracle N7」をベースに、近未来型消防車をイメージしたミニチュアモデル「Habot-mini」を開発した。
モリタグループは、ドイツのハノーバーで開催される世界最大級の消防防災展「INTERSCHUTZ(インターシュッツ)2015」(2015年6月8〜13日)に参加し、水を使わずに消火活動を行う消防車「Miracle N7(ミラクル エヌセブン)」をベースに開発した、近未来型消防車をイメージしたミニチュアモデル「Habot-mini(ハボット ミニ)」を出展すると発表した。
同社が2014年9月に発表したMiracle N7は、災害現場の空気から酸素を除去して窒素濃度を高めた高濃度窒素ガスを作り出し、消火薬剤として放出できる消火設備「窒素富化空気(NEA:Nitrogen Enriched Air)システム」を搭載する消防車両だ。NEAシステムを使えば、大規模地震のように水や消火薬剤の調達が難しい状況でも消火が可能であり、災害時における可燃性ガス発生時の爆発防止にも適用できる。第1号車は日本原燃に納入された。
今回出展するHabot-miniは、Miracle N7の機能をそのままに、近未来型消防車をイメージしたデザインとなっている。車両サイズは全長850×全幅590×全高450mmで、タイヤのサイズは、外径200×幅112mm。重量は50kg。NEAシステムの基幹部品であるコンプレッサーや窒素分離膜を備え、全幅とほぼ同じ長さ600mmのホースから高濃度窒素ガスを放出する。さらに、動作状況を示す液晶ディスプレイも搭載している。
なお、Miracle N7の1号車は、外形寸法が全長8455×全幅2490×全高3350mm、重量が9500kgで、価格は2億5000万円(税別)となっている。
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