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立体的な「臓器の芽」を人為的に創出する培養手法を確立医療技術ニュース

横浜市立大学は、立体的な器官原基を人為的に創出する汎用的な培養手法を確立したと発表した。器官原基法による自己組織化のメカニズムを応用し、肝臓などから分離した細胞から3次元的な器官原基を創出することに成功した。

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 横浜市立大学は2015年4月17日、立体的な器官原基(臓器の芽)を人為的に創出する汎用的な培養手法を確立したと発表した。同大大学院医学研究科の武部貴則准教授、谷口英樹教授、埼玉大学大学院理工学研究科の吉川洋史准教授らの研究グループによるもので、同月16日に米科学誌「Cell Stem Cell」に掲載された。

 同研究グループではこれまで、器官原基が胎内で形成される過程を模倣する新しい細胞培養操作技術(器官原基法)を開発し、試験管内でヒトiPS細胞から立体的な肝臓原基の自己組織化を誘導することに成功。2014年には、同手法により特別な条件下で未分化な3種類の細胞(内胚葉細胞、血管内皮細胞、間葉系細胞)を共培養すると、立体的な肝芽が自己組織化されることを報告している。

 今回の研究では、同手法における自己組織化のメカニズムを詳細に解析した。まず、器官原基の形成過程で取得した画像データを解析したところ、3種類の細胞が力学的に収縮することで、立体組織形成が誘発されていることが分かった。また、立体的な肝臓原基の作製には、間葉系細胞の存在と培養系における物理的な外部環境(硬さ環境)の最適な条件設定により、多細胞集団が収縮現象を引き起こすことが必須であることが明らかにされた。

 さらに、同メカニズムを他器官の作製に応用し、マウス胎児などから分離した細胞をヒト間葉系幹細胞と共培養したところ、肝臓だけでなく、膵臓、腎臓、腸、肺、心臓、脳から分離した細胞から3次元的な器官原基を創出することに成功したという。この3次元器官原基は、生体内へ移植後2〜3日で血流を有するヒト血管網を再構成した他、機能的な組織を自律的に形成した。同研究グループでは、その代表事例として、尿を産生する腎組織や、糖尿病治療効果を有する膵組織を生み出すことに成功している。

 同研究成果は、さまざまな器官の再生医療を目指す上で、有益な技術基盤となる。今後、ヒトiPS細胞由来の細胞に応用することで、糖尿病治療に向けた膵臓再生や、腎不全症患者のための腎臓再生など、さまざまな臓器不全症を対象とした新たな器官原基移植療法につながることが期待される。

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