「ボスキャラの倒し方」に学ぶ問題解決の手順:RPGで理解する生産管理(4)(4/5 ページ)
製造業にとって重要な要素である「生産管理」ですが、なかなか初心者には理解するのが難しい……。そんな生産管理初心者に向け、RPG(ロールプレイングゲーム)になぞらえて分かりやすく生産管理を解説する本連載ですが、第4回となる今回は、「問題」「原因」「課題」の違いをおさえた上で、MECE(ミーシー)やロジックツリーなどのフレームワークを使った問題解決の取り組み方をご紹介します。
「ロジックツリー」を有効活用しよう
先ほどの「5回のなぜ」で、問題を掘り下げて原因を追求していった場合、現実にはその原因が1つではないという結果になることが大半です。掘り下げれば下げるほど、その原因は多岐にわたって広がっていきます。この時、頭の中だけで考えていても混乱してしまいます。そういう場合は、頭の中の思考をツリー上に構造化させて可視化する「ロジックツリー」を作ることが有効です。
先ほどの「5回のなぜ」の例を基に、ロジックツリーを作ってみると以下の図のように考えられます。
この場合、「ボスが倒せない」のは「攻撃があまり効かない」(なかなか倒せない)という側面と「多大なダメージを受ける」(すぐに全滅させられてしまう)という2つの側面が考えられます。倒せない要因が、「攻撃があまり効かない」ということにあるのなら、さらに深く掘り下げて、それは「ボスの防御力が高い」のか「プレーヤーの攻撃力が低い」のかを考えてみます。
一方、「プレーヤーの攻撃力が明らかに低い」ということであれば、さらにその要因を掘り下げて、それは「武器が弱い」のか「攻撃補助魔法が使えない」のかを考えてみます。「攻撃補助魔法は使えているけど、武器が弱い」ということであれば、なぜその武器が弱いのかを考えてみます。すると実はその武器がボスキャラの特性(火・氷、稲妻など)にあっていなかったということかもしれません。
ここまで分かれば、そのボスキャラの特性に応じた武器を選択するという問題解決の方法を取ることができ、「適切な武器を入手する」という課題を設定することができるのです。
このように、ロジックツリーを活用して、ツリー状(木が枝を伸ばしていく様に)に問題の原因を掘り下げていくことによって、全体を俯瞰(ふかん)して眺めることができ、説得力のある意思決定へとつなげていけるのです。
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