「ボスキャラの倒し方」に学ぶ問題解決の手順:RPGで理解する生産管理(4)(2/5 ページ)
製造業にとって重要な要素である「生産管理」ですが、なかなか初心者には理解するのが難しい……。そんな生産管理初心者に向け、RPG(ロールプレイングゲーム)になぞらえて分かりやすく生産管理を解説する本連載ですが、第4回となる今回は、「問題」「原因」「課題」の違いをおさえた上で、MECE(ミーシー)やロジックツリーなどのフレームワークを使った問題解決の取り組み方をご紹介します。
そもそも「問題」って何だろう?
「問題」とは「現状とあるべき姿とのギャップ」だといいます。そのギャップが生じている状態が「問題」であるということです。ということは「あるべき姿」が描けなければ、「現状の姿」とのギャップが分からないため、「問題」が見えないということになります。「あるべき姿」をビジネスの世界に置きかえてみると、経営方針や現場でのさまざまな日々の目標となります。
しかし、「あるべき姿」とは時代や会社の経営環境、個人の置かれている状況によって変化していきます。もちろん「あるべき姿」が変われば「問題」も変わります。そのため、人によって同じ「現象」が生じていても、それを「問題」と感じる人と、そうでない人が出てきます。こうなった場合、会社は全ての「問題」を1つの手法では解決できません。まず「あるべき姿」を明確にし、それを従業員に周知徹底させることが重要となってきます。
「現象」と「問題」は異なる
「問題」についてもう少し考えてみましょう。
例えばRPGでは、ボスキャラが強くてなかなか先に進めないことがあります。「ボスキャラが倒せない」ということを表面的に捉えて「問題」を考えると、本当の原因を見逃すかもしれません。単純に「ボスキャラが強いのなら、もっとレベルを上げないと……」と考えてしまい、必死にレベル上げに時間を費やしても結局倒せないというようなことも起こり得ます。しかし実はそのボスキャラは、「あるアイテムを使うと一瞬でやっつけることができた」なんていうこともあるかもしれません。
このように、目の前に現象としてあらわれている問題を表面的に捉えてしまうと、その後の対策を間違う可能性があります。現象そのものだけを問題だと捉えると、常に場当たり的な対症療法になりやすいと思いませんか。
原因を探り、「課題」を設定しよう
場当たり的にならず、問題の真の原因を見つけるために重要なのが「課題設定」です。「課題」とは、「問題を解決するために、行動を起こすことを意志表明したもの」といわれています。つまり、「課題」の前には、必ず問題があるということです。その問題を解決するために「何をすべきなのか」というのが「課題」といえるでしょう。この「課題」を把握するためには、問題を引き起こしている「原因」を突き止めた上で「何をすべきなのか」という対策を立てる必要があります。
ここまでの内容を整理すると、問題解決のためには目標をしっかりと立て、現状を的確に把握し「課題」をはっきりさせることが重要になります。しかし、課題を明確にするためには、問題を引き起こしている「原因(真の問題)」を見つけなくてはいけません。次はそのための手法を紹介します。
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