最も給料が高い県はどこだ? 地域産業の“見える化”サービスが始動:もう使ってみました?
政府は2015年4月20日、地域経済分析システム「RESAS(リーサス)」の提供開始を発表した。リーサスは都道府県や各市町村における産業、企業、人口などのさまざまな情報を閲覧できるWebサービス。自治体向けのサービスだが、一部機能を除いて企業や個人でも利用可能だ。
政府は2015年4月20日、地域経済分析システム「RESAS(リーサス)」の提供開始を発表した。リーサスは都道府県や各市町村における産業同行、企業数、人口などのさまざまな情報を閲覧できるWebサービス。人口減少への対応など、地方創生に向けた取り組みを進める地方自治体の支援を目的に提供されているが、一部機能を除いて企業や個人も利用可能だ。
リーサスは「人口マップ」「観光マップ」「自治体比較マップ」「産業マップ」など複数のマップで構成されている。産業マップについては一部の地方自治体職員のみ利用可能となっているが、企業や個人でも自治体比較マップの中から各地域における企業数、企業単位の付加価値額、製造品出荷額、労働生産性、1人当たりの賃金など産業に関する情報を閲覧できる。
例えば製造品出荷額を選択すると、都道府県ごとに出荷額の大きさに応じて色分けが行われる(図1)。出荷額を知りたい県の上にマウスを移動させることで金額が表示され、より詳細に市区町村単位で調べることも可能だ。その他にも、ある地域における起業や創業の動態を意味する創業比率の推移を、全国平均や他の自治体と比較表示させる機能も備えている。さらに黒字/赤字企業の比率や経営者の平均年齢なども確認できる。
詳細な操作方法などはリーサスの中で操作マニュアルが公開されている他、「政府インターネットテレビ」内で解説動画も公開されている。経済産業省はリーサスの提供により全国の自治体のデータに基づく客観的・中立的な政策意思決定を支援するとしているが、今後起業を考える個人や新規ビジネスを検討している企業にとっても判断材料の一部として活用できるだろう。
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