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誰のためのモデルベース開発?モデルベース開発奮戦ちう(12)(4/5 ページ)

モデルベース開発の新人教育を無事に終え、既に社内で経歴を積んだ技術者向けの社内教育を始めることになった京子たち基盤強化チーム。そこで、部門間の壁という大きな課題に突き当たることに。モデルベース開発を導入するのは、一体誰のためなのか。最終回の今回も難問続出。最後に京子が見せた涙の意味は?

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課題3:プラントモデル側が意図しない動きをするのは、私達の責任では無い


大島

次に、「プラントモデル側が意図しない動きをするのは、私達の責任では無い」について。


京子

ハードウェアにしてもソフトウェアにしても、モデルが担う責任って何でしょうか?


山田課長

「このプラントモデルは大島さんのチームが開発したから信頼できる」という言葉をよく耳にします。信頼に応えることが責任を果たすことになるのでは?


京子

信頼に応えるためには、具体的に何をすればいいんでしょうか?


大島

この開発タイミングで決めておかなければならない設計諸元は何であるのかを、関係部署とよく話し合って明らかにし、必要な情報と精度を提供できるモデルを開発すること、かな。


京子

それは、要求事項と対応可否を相互に明らかとすることが、互いに責任を果たす第一歩、と解釈すればいいんでしょうか?


山田課長

そうね。モデルは、コミュニケーションツールとしても活躍してくれる。


大島

最後に「適正なプラントモデルを提供して頂ければ良い」について。


京子

ただ使うだけではダメだってことですよね?


 まわりからフォローが入る。

そうだな、同じ製品を作り続けるだけでは、競合力が無くなって企業として存続が難しくなる。


これと同じように「モデルベース開発ができるようになった」で終わってはダメだってことだよな。


五十嵐

モデルを媒体にして、みんなで協力し合いながら、進化し続けないといけないですよねぇ。


山田課長

進化し続けるためには、どうしたらいいのかしら。


京子

どうすれば、さらに良い製品を開発できるのかについて、皆で協力し合いながら、創意工夫することが大切だと思います。モデルベース開発は、進化を支援する技術なんです。


山田課長

これからモデルベース開発を手掛ける人たちに、この技術を正しく活用してもらえるように支援することは、とても難易度が高いわ。でも使命感を持って対応していきましょう。私たちの啓発活動はまだ続いています。頑張りましょう。


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