ITやロボットは医療従事者から仕事を奪うのか
2015年3月28日〜4月5日に神戸国際展示場で開催された医療イベント「未来医XPO’15」を取材してきました。4年に1回開催される日本医学会総会の一般公開展示ということで、医療業界向けというよりも、一般向けの展示が多かったのですが、それでも興味深い展示を多く取材することができました。
展示の中には、ITやロボットなどの最新技術により、医師や看護師といった医療従事者が煩わしいと考えている作業を効率化できるというものが多くありました。例えば、テルモの「HRジョイント」は「500床の病院であれば年間337万円のコスト削減が可能」と具体的な数字を示して、導入のメリットを説明していました(関連記事:電子カルテの手入力はもう不要!? 看護師の作業効率を高める「HRジョイント」)。
医療や介護の分野で、ITやロボットによる効率向上の話題が出ると「患者や要介護者には人のぬくもりが必要。ITやロボットを押しつけられると、患者や要介護者の心に大きな影響を及ぼす」という意見が必ず出てきます。
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