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生体試料の分析を完全自動化した全自動LC/MS前処理装置医療機器ニュース

島津製作所は、血液や尿などの生体試料の前処理から、LC/MSによる分析の開始までを自動で行う全自動LC/MS前処理装置「SCLAM-2000」(研究用)を発売した。最大60検体のLC/MS分析を自動で実行できる。

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 島津製作所は2015年3月16日、血液や尿などの生体試料の前処理から、LC/MS(液体クロマトグラフ質量分析計)による分析開始までを自動で行う全自動LC/MS前処理装置「SCLAM-2000」(研究用)を発売した。

 一般的に血液試料の分析には、採血管を遠心処理し、試薬や除タンパク液と混合した後にろ過して回収するといった前処理が必要とされている。分析によっては、病原体を含んだ感染性試料の処理も行うが、従来この前処理した試料は手動でLC/MSにセットされていた。そのため、多試料を安全・簡便に前処理し、LC/MS分析までを自動で行えるシステムが求められているという。

 SCLAM-2000は、遠心処理した採血管などのチューブと試薬、2種類の前処理専用容器をセットし、制御用ソフトウェアから簡単な操作をするだけで、最大60検体のLC/MS分析を自動で実行できる。1時間あたり約20検体を処理可能で、作業の自動化により前処理の時間を短縮し、ミスやばらつき、感染性試料を処理する際のリスクなどを低減できる。

 また、1検体ごとの逐次処理方式を採用し、前処理時間を一定に制御できる。検体ごとの前処理反応時間の差など、個体間のばらつきをなくしたため、日内差・日間差を含めた再現性は同社の評価で≦10%になるという。試料ごとに異なる前処理条件の設定や、同じ試料で複数の前処理条件を設定することもできる。

 オプションのバーコードリーダでは、検体のID管理や分析結果の校正機能、試薬の残量・使用期限などの管理機能、装置保守履歴の記録機能などの精度管理機能も備えた。装置内の満杯検知センサー付き前処理容器の廃棄ボックスや廃液タンクにより、感染性試料を処理する際の感染リスクも低減できる。

 価格は、ソフトウェア込みで1750万円(税別)から。同社製のオートサンプラー「SIL-30AC」を構成に含む、超高速トリプル四重極型液体クロマトグラフ質量分析計「LCMS-8040」「LCMS-8050」への接続が可能となっている。

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全自動LC/MS前処理装置「SCLAM-2000」(研究用)※LCMS-8040付きシステム

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