ダイ−パッケージ−プリント基板の協調設計を実現、メンターが新ツール:実装ニュース(2/2 ページ)
Mentor Graphics(メンター)は、ICに内蔵するダイの設計データを基に、最適なパッケージ基板やプリント基板の設計を可能にする電気CADプラットフォーム「Xpedition Package Integrator」を発表した。
「Nimbic」との連携も可能
Xpedition Package Integratorは、パッケージ基板とプリント基板の物理設計を行える電気CADと、ダイ−パッケージ基板−プリント基板の間で協調設計するための統合プラットフォーム、ダイや各基板間の接続や制約条件を管理するツール、ライブラリの作成と管理のためのツールから構成されている。
「Xpedition Package Integrator」のツール構成。右側の「電気モデリング」「電気的サインオフ」「熱解析」「製造」の4つのツールは、メンターが提供するツール群と連携可能なことを示しており、パッケージに含まれているわけではない(クリックで拡大) 出典:メンター・グラフィックス・ジャパン
先述した「壁を貫く形での協調設計」を実現する上で最も重要な役割を果たしているのが仮想ダイモデルだ。Xpedition Package Integratorを使えば、EDAツールに依存しない形で、ダイの設計データから、従来の単純なダイ抽象モデルよりも詳細度の高い仮想ダイモデルを出力できる。
この仮想ダイモデルと、パッケージ基板やインターポーザ、プリント基板の間の接続をグラフィカルに表示することで、システムレベルで最適な配線接続を実現できる。また、Excelのスプレッドシートを使っていたパッケージ基板の端子配置について、Excelの行や列に縛られない形で柔軟に行える「WYSWIGボールマッププランニング」機能を用意した。この機能を使うと、ルールベースの端子の入出力を自動で割り当てることもできる。Xpedition Package Integratorを使って設計した内容を、自動的にライブラリを作成/管理する機能も提供されている。
さらに、メンターが展開している電磁界解析や熱解析のツールとの連携機能も特徴の1つだ。プリント基板の電磁界解析などに用いる「HyperLynx」や熱流体解析ツール「FloTHERM」だけでなく、メンターが2014年5月に買収した、3次元にダイを積層したICパッケージの電磁界解析に最適なツール「Nimbic」と連携させれば、さらなる設計の最適化が可能になるという。
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